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2018年3月24日 (土)

中毒百科 健康食品編

アロマターゼ阻害剤の副作用としての関節痛が出たのがきっかけで、関節痛について少し調べたのですが、関節痛は水銀中毒でも発症するそうです。

そこで、もしかしたら私も慢性的な水銀中毒なのかも?と、アマルガムの除去を試みたり毛髪ミネラル検査をしてみたりしましたが、特に問題はなさそうでした。

しかし「重金属中毒」とはどんなものか?気になっていた時に、たまたま図書館でピッタリの本を見つけました。

健康食品 中毒百科

筑波大学の名誉教授の方が書かれた本です。「中毒とは何か?」といった解説でも中毒になった場合の対処法でもなく、さまざまな健康食品やサプリメント、漢方薬やホメオパシーのレメディなどでの中毒の事例が多数載っています。

事例の量がすごい!とにかく沢山、論文を引用する形で書かれています。元の論文はもちろん、参考文献として記載されてます。

但し理学系でよく使われるナンバリング方式ではなく、医学、農学系でよく使われる「ファーストオーサーの姓と年号のみ本文中に記載し、各編または各章の末尾にファーストオーサーの姓のアルファベット順に並べる」方式なので、元の論文を検索する際にちょっと面倒です。

さてどんなものが載っているのかと、まず目次を開いてみますと、

第Ⅰ部 痩せ薬

まぁ、こういうモノで中毒ってのは実際あるだろうな、とは思いますが…問題はその中身。クロム?流動パラフィン?下剤?にがり?こんなもので痩せると思って飲む人がいたこと、しかもそれを痩せると言って売っている人がいた、ってことにまず驚きました。

第Ⅱ部 健康食品

ここには、普通の健康食品が並びます。アガリクスに、カバノアナタケ?ってコレ今飲んでるヤツだ…シイタケ?イチョウ葉エキス?クロレラ?コイの胆のう?ドクダミ??インゲン豆???えっ、これらも危ないの?????トリプトファン、これは遺伝子組み換えサプリで死者が出ましたね。12ページを割いています。

第Ⅲ部 漢方薬,生薬

附子は毒薬、麻黄も危ないとは聞いたことはありますが…甘草も?桂皮、ってシナモンも?鬱金、って、カレーに使うターメリック?瞻酥って「ガマの油」、これは以前調べたのである程度は分かります。漢方薬・民間薬中の重金属?汚染されてたりするのでしょうか?

ビックリですね。

実際にページを開いてみると、いろんな事例があるのだな、ということがわかります。

まず最初は

「フェンフルラミン,ニトロソフェンフルラミン」

これらの成分は「脳においてセロトニンの蓄積を招き食欲抑制剤として使われる。」根拠はあるんですね。実際に、中毒された方々も、体重は落ちていたようです。

ただ、これにより肝機能障害が発生しています。

中国からの輸入ダイエットサプリに含まれていたようです。こういう、科学的にも食欲抑制効果があるとされるものが「茶素減肥」だの「美麗痩身」「華北痩美」なんて名前で売られてたら、買って飲む人がいるのも仕方ないのかも。

日本肝臓学会評議員の所属する施設を対象とした調査によれば、2002年1年間に中国製痩せ薬による重症肝機能障害は5例、うち死亡1例。

死亡したのは60代の女性。他の症例は50代、40代が多く、10代は載っているのは1例のみ、っていうのが意外でした。

「フェニルプロパノールアミン,プソイドエフェドリン」

血管収縮薬として市販の鼻炎薬、風邪薬に含まれていた成分。興奮剤としても使用され外国では痩せ薬としても使われたそうです。

しかし脳出血、精神病、肝機能障害などの副作用があり、死亡する例もありました。日本ではフェニルプロパノールアミンを規制しプソイドエフェドリンへの切り替えをしましたが、プソイドエフェドリンもまた脳卒中などの副作用があることが判明しています。

本には市販薬の名称も記載されているのですが…私もかつては割引購入可能だったためよく服用していた某薬、こんな危険性があったとは…。怖いですね…。

「クロム」

ピコリン酸クロム。3価なので毒性は少ないと思われがちですが、1997年摂取目安量の3倍を摂取した女性が腎不全発症。その後も腎障害、肝障害などが発生しているそうです。

ちなみにネット検索したところ、ピコリン酸クロム製剤は今でも販売されているようです。きちんと注意書きされているのかどうか気になります。

「下剤」

以下引用。

『便秘に対する誤解か、痩身願望によるものが多い。特徴は90%以上が女性であること、下剤の服用を申告しないだけでなく、しばしばこれを強く否定し実情を把握するのが困難であることなどである。患者は女性の中でも看護職など医療関係者が多かったが、最近は健康食品としてインターネットで入手しやすくなり一般人に広がった。』

薬剤師は薬に詳しいけど医師や看護師はそうでもないとは聞きますが…。やれやれ。

ちなみに、下剤の乱用で尿路結石を生じるんだそうです。

「羅漢果(ラカンカ)」

煎じて飲んでいて劇症肝炎を発症したという事例が1例掲載されています。羅漢果の薬剤リンパ球試験が陽性だとのこと。しかし、これを読む限りでは、羅漢果本来の成分によるものなのか、「この人が飲んでいた羅漢果」或いは「この人の羅漢果の飲み方」に問題があったのか、といった詳細は分かりません。

「アガリクス」

菌床がカドミウム汚染されていてカドミウム中毒となった事例があるそうです。

「カバノアナタケ」

「シベリア霊芝」「チャーガ」等とも呼ばれる抗ガンサプリ。ロシアでは「ベフンギン」という名称で薬品として認められているそうです。そのカバノアナタケでの肝機能障害の事例が2例載っています。しかしこれも「羅漢果」同様、本来の成分によるものなのか、この方々が摂取していたものに問題があったのか(不純物、添加物など)が分かりません。

「マンネンタケ」

サルノコシカケ科のキノコはゲルマニウム含有量が高いのだそうです。

「トリプトファン」

遺伝子組み換えサプリで死亡者38名が出たことで有名ですが、どうやら遺伝子組み換えか否かに関わらず、アミノ酸バランスを考慮せずに「トリプトファンのみ」を大量に摂取したことが問題だったようです。トリプトファンのサプリ、今でも販売してるようですが、毎日1g摂取した程度でも死亡することがあるので気をつけましょう。

「イチョウ葉エキス」

EUでは医薬品扱いですが、脳出血、痙攣などの副作用があるようです。

「ゲルマニウム」

痴呆(1991年)などの脳神経系の障害、症例が殆ど日本。がんや高血圧、糖尿病に効くと信じて処方し自分も服用していた大学教授、ゲルマニウム健康食品を販売し自分も飲み続けた役員、知人に勧められ服用していた薬剤師などなど。

米国、英国、ノルウェーなど諸外国が軒並み禁止する中、日本ではプロパゲルマニウムに免疫能の賦活化作用があるとされ医薬品としてスピード承認。発売後6ヵ月間に28人の肝機能憎悪例が発生、死亡者も。

ゲルマニウム温浴などによる経皮吸収はないのかが書かれておらず、気になりました。

「紅茶キノコ」

引用します。

『1996年イランの首都テヘラン郊外の村で、痛みに効くと言われ紅茶キノコを皮膚に塗り20人が5-7日後に皮膚病を発症、病変部から炭疽菌が検出された。』

素人が下手に発酵食品を売ったりしない方がいい、とFBに書いきましたが、こういう事もあるからなのです。

「インゲン豆」

引用します。

『2006年5月6日放送のTBS系の情報番組「ぴーかんバディ!」で、白インゲン豆を約3分間炒った後に粉末化し、ご飯にまぶして食べるダイエット法が紹介されたが、これを試した視聴者が下痢などを訴え、31日までに被害は965件、うち入院は104件にのぼった。』

『健康食品ブームに乗じた無責任なテレビ番組で健康被害が起きている(フジテレビ「料理の達人」アメマシバ、「もんたinducedシイタケ皮膚炎」)。今後は、「ぴーかんバディ下痢症」というふうに、症状に、その原因となった番組か司会者の名前を冠して呼ぶことにするといい。』

賛成です!!!

「ノニジュース」

民間薬として主に外用薬として使われてきたものがジュースになって販売され、さまざまな障害が発生している模様。アントラキノン類による肝障害が疑われています。

「麻黄」

中国では昔から使われていた生薬ですが、健康被害多発。その理由を探ると

『中国では麻黄を抽出するのに全草のまま1回抽出し2回は抽出しなかった。しかし、現在は全草の粉末を使い2回抽出、2回分の抽出物を混合濃縮してエキスとして輸出している。(中略)その結果、粉末からの抽出物の細胞毒性は全草からのそれよりはるかに高く、粉末を使うことにより毒性の高い物質が抽出されると考えられる。』

「附子、烏頭」

『(烏頭を含む赤丸料は)市販の煎じ器のほうが土瓶より沸騰までの時間が長く減毒の時間が短くアコチニンの量が多くなる。』

「人参」

野菜ではなくウコギ科のオタネニンジン、いわゆる「朝鮮人参、高麗人参」。生薬としてさまざまな漢方薬に使われています。

これも女性ホルモン作用あるんですね…失敗したぁ…。

「一位」

糖尿病専門の民間漢方薬「寿位」に含まれるそうです。イチイの葉に含まれる有毒アルカロイド「タキシンB」はタキシン類では最も毒性が高いのだとか。

『紀元前53年、カエサル王率いる遠征軍との敗色濃い戦いの中、老齢で衰弱したエブロネス族の王・カトゥウォルクスは、イチイの毒汁を飲んで自ら命を絶った、とカエサルは「ガリア戦記」の中に記録している。』

ちなみに、血小板減少、不整脈などの毒性が知られているこのイチイの木から抽出されて作られた抗がん剤があります。副作用がひどいのは当然ですね。

「瞻酥(センソ)、瞻蜍(センジョ)」

瞻酥はヒキガエルの分泌物。ガマの油です。瞻蜍は干したもの。黒焼きにして使います。

両方あるんですね。「ガマは黒焼きじゃ効果ないよ!w」なんて調べもせずに他人をバカにしてると逆にバカにされますので、常に鏡を見て己の姿を確認しましょうw

ちなみに。1980年代半ばから1990年代初めにかけてアメリカやオーストラリアなどでヒキガエルを舐めるのが流行したそうです。「世界が自分のものになる」とかで。分泌物をクラッカーに乗せて食べたりも。まさに「胃の中のガマガエル」。良い子は真似しないでね!

「漢方薬・民間薬中の合成医薬品」

ただの健康増進のための生薬だと思っていたら合成医薬品が混ざっており、医師の処方した合成医薬品と合わせると許容量を超えていた、というようなケースがあるようです。気をつけましょう。

「漢方薬・民間薬中の重金属」

重金属汚染されている漢方薬、民間薬は結構多いようです。

水銀、ヒ素、鉛その他。

がんに効くとされる中国製の冬虫夏草。重さで値段が変わるために鉛の棒を入れて重さを量り、取引する悪徳業者がいるようで、当然このようなものを摂取すれば鉛中毒になります。これも要注意!

アーユルベーダ民間薬は特に重金属汚染に注意が必要なようです。詳しくは分かりませんが、アーユルベーダでは金、銀、銅、真鍮、青銅の合金パンチャローカムや水銀と銀の合金パラドを聖なる金属としているようです。なので水銀中毒も多いとか。これらにもしかしたら鉛やヒ素が混入している、ということもあるのかもしれません。要注意です。



本来は良いものであっても、汚染されていたり摂りすぎたりすると害になることもある、という事例がこれでもかと出てくるので圧倒されました。或いは体質に因ることもあるのかもしれません。

他にもクロレラやプロポリスなど多数載っております。こうした健康食品を扱っておられる方々、是非ともご一読を!



3/26リンク切れ訂正&以下追記

ドクダミ、鬱金、桂皮、甘草などは割愛しました。よく使われる薬だから安心だろうと継続して服用しているとやっかいなことになりますよ、という警告の意味で名称のみは出しましたが、極端な大量摂取や体質によるものが多く、特殊な事例のようでしたので。

流動パラフィンのような事例は摂取すること自体少ないだろうと思い、これも割愛しました。

気になる方は、実際に本を手に取ってお読みになってみてください。

中国産の生薬は、最近は国がしっかり管理しているので汚染による中毒は減っていると他の本で読みました。

しかし、漢方薬やアーユルベーダ薬、ホメオパシー薬などは、盲信しているスピリチュアル系の方々が多くいらっしゃいます。

本当にその薬で症状が改善しているのかどうか、服用前のデータや画像と比較するなどして客観的に判断していただければと思います。自戒を込めて。

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  • がん対策推進基本計画
    厚生労働省が平成24年に発表したもの。これによると、治療せずに様子を見る「経過観察」はしちゃダメ!なのかな?なんで?w
  • 国立がん研究センター
    食事療法については何も載っていません。アルコール摂取を控えましょう、肥満に注意しましょう、ぐらい。

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  • サラ・ブライトマン: 神々のシンフォニー
    日本盤のみボーナストラック追加。
  • 3/8にリマスター発売。
    Pink Floyd: 狂気
    まさに「狂気の沙汰」ですね。
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