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2018年10月24日 (水)

販売中止となった抗がん剤

日本人研究者ノーベル医学・生理学賞受賞からのオプジーボフィーバー、ようやく一段落してきたようですね。

なんでも、オプジーボは肝臓がんの抗がん剤として期待されているとか。

自己免疫性疾患という重篤な副作用の存在を考えると、喜んでばかりはいられないはずなんですけどねぇ。

ところで。

肝臓がんに効く抗がん剤として、「スマンクス」という薬品が存在していたことはご存知でしょうか?

私も知らなかったのですが、こちらの書籍に書いてありました。

がん治療革命「副作用のない抗がん剤」の誕生

2016年11月に初版発行された本なので、わりと最近です。私がヘルニア入院から退院して、リハビリに苦労してた頃ですね。

どんなことが書いてあるかといいますと。

従来型抗がん剤が効かない理由とか活性酸素の害とか、いろいろとあるんですが、

古いタイプの抗がん剤にポリマーをくっつけてがん細胞に届きやすくした抗がん剤、スマンクスについて、詳細に書かれています。

腫瘍に届くように設計された薬、DDS(Drug Delivery System)薬と呼ばれるものの一種です。

このスマンクスは適切に使用すれば副作用は殆どなく、固形タイプのがんに対する治療成績もよい。なのに、何故か販売中止になってしまったそうです。

この件について書いてある部分を抜粋いたします。

>スマンクスを合成したのは七九年ですが、承認がとれたのは九三年でした。

>スマンクスの臨床にトライしたのは合成に成功した翌八〇年です。当時は肝がんは見つかってから四カ月で亡くなるといわれていたのに、スマンクスを投与したグループの五〇%が生存していました。そして、九三年に承認を受け、市場に出たのが二〇〇四年。ところが、二〇一三年に販売中止になります。治療に使われたのはわずか九年間でした。だからといって効かなかったのではなく、製薬会社の利益にならなかったからです。まず、薬価(四mgで四万五千五百四円)が他の抗がん剤にくらべて安すぎたことがあげられます。そのうえ投与は一カ月~三カ月に一回でよかったのです。

>製薬会社にはN(人)×T(時間)という方程式があります。たとえば、高血圧や糖尿病は、がんにくらべて患者の数(N)が大きく、治療期間(T)も長いから、マーケットは巨大になります。ところがスマンクスは、他の抗がん剤とくらべて、NもTも小さいから儲からないのです。

>また、スマンクスは固形がんのほとんどに有効で、とくに腎臓がんには効果があったのに、肝臓がんだけで承認をとったことも市場を狭くしてしまいました。そのうえ非常に複雑な物質で、室温で保管すると分解して活性がなくなるので冷蔵冷凍しなければいけない、取り扱いが面倒なのです。そして最大の問題は、静脈注射ではなく、動脈からカテーテルを入れて薬を放出する方法だったことです。当時はそれが出来る医師が少なかったことも致命的でした。薬代よりも医師の技術料の方が高くなってしまうのです。

>スマンクスは素晴らしい抗がん剤ですが、知らないで使うと強い副作用に見舞われました。

>スマンクスは商品として四mgと六mgがありましたから、ほとんどの医師は添付文書に従ってこの量を使っていましたが、これでは多すぎたのです。相当大きな肝臓がんなら四mgとか六mgを使ってもいいのですが、肝硬変の人は免疫力が弱くなっていますから、六mgなんて使うと正常細胞までやられて肝膿瘍を作ったり肝不全になったりと大変なことになります。一mgか二mgで充分だったのです。当時の抗がん剤は百mgとか一gが普通ですから、いかに少ないかがわかると思います。

>スマンクスは四㎎で四万八千円ほどですから、一mgだと一万二千円です。一週間ほど入院して治療しますから、医師の技術料やベッド代を合わせて六十万円ほどかかりますが、そのうち薬代がたった一万二千円!それも一カ月から三カ月に一回ですから、製薬会社はまったく儲かりません。儲からないからコストをかけたくないのは当然です。

以上、上記書籍からの引用でした。

しかし…。

うまく使えば副作用が殆どなく薬代もかからない、治療頻度も低い、なんて優れた抗がん剤のように思えますが…。販売中止とは。

販売中止の詳細を調べようと思って、発売元のサイトを見てみましたが、検索してもヒットしませんでした。おかしいなぁ、添付文書はあるのに。ここにも載ってるのに。

ちなみに、製薬会社は儲からなかったようですが、この薬品のポリマー部分を製造したクラレはかなり儲かったようです。


こういう薬品が販売中止になる一方、95%の死亡率を誇り、海外では軒並み認可取消となった危険な薬品は今でも適応縮小して売られています。詳細はこちらの本に書いてあります。


さて。

厚生労働省は、患者と製薬会社、どちらを向いているか?

そして、患者を救いたいと考える医師と製薬会社、どちらを向いているか?

さらには、マスメディアはどこを向いている?


今回のような事例は山ほどあります。

ネタは沢山仕入れてあるのですが、まだ整理できておりません。


読書の秋とはいえ、こんな本ばかり読んでいると疲れてしまいます。なのでなかなか、ブログが更新できません。

放射線治療の待ち時間に積んどいた本読破したりしたのですが、最近また積んどく本が増えまして…。まったく、ソリティアコレクションには困ったものですw

2018年10月 2日 (火)

第4のがん治療?

昨日、ノーベル賞の医学・生理学賞が発表されました。

ノーベル賞 医学生理学賞に本庶佑氏 京大特別教授

>スウェーデンのカロリンスカ研究所は1日、2018年のノーベル医学生理学賞を京都大高等研究院の本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授(76)と米テキサス大のジェームズ・アリソン教授の2氏に授与すると発表した。本庶氏は免疫の働きにブレーキをかけるたんぱく質「PD-1」を発見し、このブレーキを取り除くことでがん細胞を攻撃する新しいタイプの「がん免疫療法」の開発に結びつけた功績が評価された。

だそうです。本庶佑先生、おめでとうございます。

このニュースのおかげで、沖縄県知事選や内閣改造のニュースの尺が短くなってるようで、安倍内閣は大助かりですね。しかも安倍総理、さっそく本庶先生に電話してお祝いのメッセージを伝えられたようです。

ちなみに、こんな記事もありました。

京大タテカンで本庶さん祝福…でも大学側撤去

あらら、お祝いなのに…。残念。



それはさておき。



本庶先生のこの発見から、「免疫チェックポイント阻害剤」という薬が作られました。

オプジーボやキイトルーダなどの薬が有名です。他にも数種類の薬が発売され、他に数百もの開発研究が行われているとか。

今後のがん治療は、これらの薬が中心になっていくのかもしれません。

私が受けたような遺伝子複製阻害剤(殺細胞剤とも呼ばれる)は少なくなっていくようですね。それはいい傾向だと思います。



しかし、「免疫チェックポイント阻害剤」、本当に「夢の薬」なんでしょうか?

オプジーボがどのような薬であるか、こちらに分かりやすい説明があります。

免疫チェックポイント阻害剤(nivolmab:商品名 オプジーボ)

注目すべきはここでしょう。

>「免疫チェックポイント阻害剤」は、自身の免疫機能を高めてがん細胞を攻撃するという、それまでの抗がん剤等とは違う作用機序を持つお薬です。しかし、やはり「薬」ですから、その作用機序により、自分自身の細胞までも攻撃してしまうことがあるため、副作用の症状はあります。過去には、副作用による死亡例も報告されていますし、潜在的なリスクとして、過度の免疫反応、胚胎児毒性、心臓障害(心房細動、徐脈、心室性期外収縮など)、溶血性貧血も報告されています。

がん細胞はもともと、遺伝子が欠けただけの「自分の細胞」ですから、免疫細胞が異物として認識しないような機能を備えています。

しかしそのしくみを薬で押さえてしまうと、正常細胞まで異物と認識して攻撃してしまう可能性があります。



オプジーボの添付文書を見てみると、副作用として間質性肺炎、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群などが上がっています。

これらは全て、自己免疫性疾患です。免疫系の異常で正常細胞が免疫細胞に攻撃されて発生します。

しかも、これらの疾患の治療法は確立しておらず、免疫抑制のためにシクロフォスファミドが使われたりしています。



そう、免疫チェックポイント阻害剤の副作用を抑えるために、殺細胞剤が使われる可能性があるのです。



免疫チェックポイント阻害剤、本当にがん治療に有効なのか?

それとも、副作用対処薬処方のための薬なのか?



価格の面も含め、時期尚早のような気もします。しばらく様子を見たほうがよさそうです。



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Sage's Link List

  • がん対策推進基本計画
    厚生労働省が平成24年に発表したもの。これによると、治療せずに様子を見る「経過観察」はしちゃダメ!なのかな?なんで?w
  • 国立がん研究センター
    食事療法については何も載っていません。アルコール摂取を控えましょう、肥満に注意しましょう、ぐらい。

Sage's Music List

  • サラ・ブライトマン: 神々のシンフォニー
    日本盤のみボーナストラック追加。
  • 3/8にリマスター発売。
    Pink Floyd: 狂気
    まさに「狂気の沙汰」ですね。
  • Walk This Way
    RUN D.M.C.:
    エアロスミスとのコラボ。
  • Somewhere I Belong
    LINKIN PARK: METEORA
    あるプログラムでの使用曲。
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