最近のトラックバック

Sage's List

« 乳がん患者向けヨガの問題点 | トップページ | 乳がん患者がやるべき身体活動 2 手術からのリハビリ »

2019年8月19日 (月)

「ヨガ産業」ブギ

前回、乳がん患者向けのヨガは「資格商法」であるので関わらない方がいい、と書きました。

今回はその辺りをもう少し詳しく説明します。



私が体験した「乳がんヨガ」はBCYI(Breast Cancer Yoga Institute)認定インストラクターのものでしたが

BCYIでは1日7時間3万円の講座を受ければインストラクターとして認定して貰えるようです。

他にも、例えばGoogleで"yoga for cancer"と検索してみますと、こんな検索結果が出ます。

Y4c 

アクセスしてみますとy4cというアメリカ発祥の「がん経験者のためのヨガ」のサイトのようです。

トップページの一番左側にあるのが「養成コースお申込み」。

45時間で148,000円。早割もあるようです。

URLに”yoga-pilates-yosei”とありますから、インストラクター養成目的であることは明らかですね。



他にもあります。

特定非営利活動法人 日本統合医学協会」では、20万円超の36時間の講座を受けると医療系ヨガインストラクターの資格が取れるそうです。一応、受験資格は「ヨガの基本的な知識、医療従事者に準じる医学知識を身に付けた方 」という規定もあるようですが。

NPO法人 日本ヨガ連盟」では111,456円払って7日間の講座を受けると病院にも派遣可能なヨガインストラクターとして認定されるようです。

はしもと内科外科クリニック」でも医療ヨガのインストラクター養成を行っています。3ヶ月70,000円。6ヶ月まで延長可能ですがその際は延長料金が必要となるようです。こちらの医師は「医療ヨガ」という本も出版されています。興味のある方はツッコんでみて下さいw

病院でのインストラクター養成と言えば、がん治療では世界的に有名なアメリカのメモリアルスローンケタリングがんセンターでもがん患者向けヨガインストラクターの養成事業を行っています。16時間のビデオ講座で295ドル。こちらはRYT保持者(多分全米ヨガアライアンス200を持っている人)向けだそうです。

カナダのカルガリー大学と提携しているYOGAEFFECTというヨガスタジオでも、がん患者向けヨガインストラクター資格認定をしています。36時間899ドル。こちらもRYT200保持者が対象のようです。

Pain Care Yoga」というのもありました。どうやらつい最近出来たばかりのカナダの団体のようです。1080ドル、6日間で取得可能。リストラティブヨガから派生したヨガのようですが、がんの痛みにも効くのかどうかとか、腰痛肩こり程度なのか、線維筋痛症はどうかとか、私の探し方が悪いだけかもしれませんが患者向けの話が一切見つかりません。PDFにあるのかな?



…探せばまだまだ出てきそうです…。

これだけたくさん出てきますと、

何がなんだかさっぱりわからず、どれがどれやらさっぱりわからず、何も聞かずに飛んでは来たけど、何を買うやらどこで買うやら…

というまさに「買い物ブギ」的な心境になります。わてほんまによう言わんわ



しかしこれ、がん関連ヨガに限った話ではないのです。

ヨガジェネレーション」というサイトがあります。

ヨガスタジオのサイトらしいんですが、「ヨガを受けたい」という一般の人向けのクラスの紹介は殆どなく、「ヨガを教えたい」という人に向けた指導者養成のための講座ばかりが並んでいて呆れます。



現在、既にフィットネスクラブやカルチャースクール、公民館の講座など、ヨガを学ぶ場は広まっています。地域格差はありますが。

それに興味を持って始めた人が、それらの教室で飽き足らなくなると、ヨガスタジオへと出向いていくようになります。

しかし、小さなヨガスタジオで習っているだけでは、スタジオ側も大して儲からないし、受ける側もマンネリ化して飽きてしまいます。



そこで出てくるのが「指導者養成コース」です。

「これを受ければ、指導して稼げるようになりますよ!」ヨガスタジオの人にそそのかされ、自分でもその気になって、大枚払って資格を取得。

しかし上記のように、既にあちこちでヨガ教室は開かれている。興味のある人は既に始めている。新たにヨガクラス開いても誰も来ない。

客が来ないのは「教えられるものが少ないからだ」と思い、更なる資格取得に走る。

そういう「稼げない」ヨガインストラクターを餌食とする講座が山のようにある、それが現状なのです。



もし、それでうまくいったとしましょう。会員登録してくれるお客さんが何人か見つかって。

しかし、もともと入門編の資格と他数種類の資格を取っただけだから、会員さんを留めておくことが難しい。

学ぶ人は勝手に学んで、もっといい指導者の下に行ってしまったりします。

そこで、始めるわけです。「ヨガ指導者養成コース」を。「ヨガ指導者養成のための指導者養成コース」を受けて資格を取って(これもかなり高額)。

そして、新たな犠牲者を増やしていく。



そう、「ネズミ講」みたいなものなんですよ、ヨガインストラクター養成ビジネスって。

こちらのブログによくまとまっているので、読んでみて下さい。

資格ビジネスとマルチ商法の構造の類似性

あえて「ダイエット体操」と書いてありますが、おそらく「ヨガ」を指してるものと思われます。

基本的に業務独占の資格ではない名称独占資格などほとんど意味はありませんし、業務独占資格にしろ簡単に取れるようなものはその簡単さに比例して価値がありません。

中には「高額な受講費用を払う」ことが「簡単ではない」ことだと勘違いしてしまう人もいらっしゃるようなんですけどね…。



そういえば。

先程「買い物ブギ」が出てしまいましたが、「買う」のは「消費者」ですよね。消費者相談センターが発行している資料にこのようなものがありました。

ヨガインストラクター資格講座の解約に関する紛争

>平成 28 年 7 月、何か運動がしたいと考えていたところ、相手方教室において 1 回 1000 円でヨガの体験ができるというので相手方の教室へ行った。その後、相手方が提供しているヨガのインストラクター養成講座を見つけ、問い合わせたところ、40 時間のレッスンでインストラクター資格が取得できると説明を受けた。資格を取得したら仕事を紹介してもらえるのか尋ねたところ、マージンは取るが仕事を紹介することもあり、自分でレッスンを行うこともできると言われ、講座の申し込みをした(約 19 万円)。
>同年 9 月より受講を開始したが、契約書で定める無料受講は、直営店ではない相手方の教室では適用されないことについて説明がなかったことや追加料金が発生する補習が必要だったり、無料受講用のパスを渡されていなかったりと、事前に聞いていた内容と異なるため、相手方本社に苦情を伝え、返金してほしいと要請したが、一部コースの無料受講などを提案され、返金は断られた。その後も相手方と交渉し、消費生活センターにも相談したが、返金には応じられないとの回答であった。未受講分の受講料を返してほしい。

>相手方は、本件紛争に関して申請人に守秘義務を課すのであれば、返金額の増額も検討できると述べたことから、仲介委員は改めて約 13 万円の和解案を提示したところ、両当事者で合意に達したため、和解が成立した。

「申請人に守秘義務を課す」つまり詳細を一切口外しないという約束で返金に応じた、と。

私なら、守秘義務守れないから返金は要らない、とツイッターだとかにスタジオ名入りで詳細書きまくりますけどねw 



それにしても、1000円で体験に来た人にいきなり指導者養成コースだとか、ヨガをなめてるとしか思えないんですけど…結構いるんですよね、こういう人達。



中にはきちんとしたヨガ団体もあり、そういう団体は安易に指導者資格を出したりはしません。

本当にいいものを後世に残そうと思ったら、中途半端な人を指導者認定することは出来ませんよね。

中途半端なものが伝えられていくことになりますから。

武道でもそうですし、日本舞踊、茶道、華道などの習い事もそうですよね。師範として認められるまでには何年もかかり、そこからさらに精進しなければいけない。

資格取得のために目の色変えてる人達は何故、ヨガだけは簡単に資格が取れるのか、インド5000年の歴史から紡ぎだされた健康法はそんなに単純なものなのかどうか、考えてみたことはないのでしょうか?



ヨガ団体を評価する一つの基準は、その団体の設立年がいつであるかを確認することです。

具体的には、1995年以前か以降か、です。

この年、オウム真理教がメディアを賑わしました。そのオウム真理教の施設が「ヨガ道場」を名乗っていたので、この直後、日本のヨガ人口は激減しました。そしてしばらくその状態が続きました。

その「ヨガ氷河期」を乗り越えてきた団体で、指導者になるにはそれなりの経験を積まないといけない、という団体はある程度信用してもよいでしょう。

昨今のヨガピラブームは、2006年以降ではないでしょうか。それ以降は団体数も激増します。




とにかく、乳がん関連ヨガは、始めてしまうとまるでネズミ講のような「ヨガ産業」の餌食になりかねない。

だから、消費者保護の観点から見たら、足を踏み入れない方がいい。

君子危うきに近寄らず。そういう意味で最初から「やらない方がいい」のですよ。

リハビリやリンパドレナージは病院で理学療法士さんや作業療法士さん、看護師さんに教えてもらえば十分です。



安易に設立されたヨガ団体の安易なヨガ指導者認定は、むしろヨガ普及の足を引っ張っているように思うのは私だけでしょうか?

もっとも、最近はそうした「ヨガ産業」界にもほころびが出始めているようではありますが。



わてほんまによう言わんわ。あー、しんど…。

« 乳がん患者向けヨガの問題点 | トップページ | 乳がん患者がやるべき身体活動 2 手術からのリハビリ »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 乳がん患者向けヨガの問題点 | トップページ | 乳がん患者がやるべき身体活動 2 手術からのリハビリ »

2020年5月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

Sage's Link List

  • がん対策推進基本計画
    厚生労働省が平成24年に発表したもの。これによると、治療せずに様子を見る「経過観察」はしちゃダメ!なのかな?なんで?w
  • 国立がん研究センター
    食事療法については何も載っていません。アルコール摂取を控えましょう、肥満に注意しましょう、ぐらい。

Sage's Music List

  • サラ・ブライトマン: 神々のシンフォニー
    日本盤のみボーナストラック追加。
  • 3/8にリマスター発売。
    Pink Floyd: 狂気
    まさに「狂気の沙汰」ですね。
  • Walk This Way
    RUN D.M.C.:
    エアロスミスとのコラボ。
  • Somewhere I Belong
    LINKIN PARK: METEORA
    あるプログラムでの使用曲。
無料ブログはココログ