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2020年1月 9日 (木)

イソフラボンと乳がん

東北地方のお節料理には、「青畑」と呼ばれるものが入ることがあります。

青大豆の煮物です。

ここに数の子をちぎっていれることもあります。緑と黄色がお節料理に彩を添えます。



今回はこの「大豆」のお話。



乳がんは食事と関連があることは、アジアと欧米での乳がん罹患率の違いから明らかです。

では、アジア系の食事は欧米と何が違うのか?

これまで、よく言われてきたのは「大豆を多く食べる」ことでした。

しかし、これも賛否両論ありました。

大豆イソフラボンはエストロゲンの作用を妨げるので乳がんになりにくいとか

いや、イソフラボンも乳がんには悪いとか。



私がイソフラボンに興味を持ったのは、とある生薬がきっかけです。

それは、「黄耆(おうぎ)」というもの。

これは補中益気湯十全大補湯にも含まれる生薬なのですが、とある漢方薬屋さんで、黄耆のみ単体で服用することを勧められました。



私は補中益気湯で痛みが酷くなったり、十全大補湯で痛みや出血がひどくなったりした経験があります。なのでこれらの漢方薬の中に、乳がんが悪化するものが含まれているのは間違いないのです。しかし漢方薬屋さんが勧めてくれるのならその生薬には問題ないに違いない、そう判断して服用し始めました。

ところが

むしろ悪化したのです。痛みが酷くなりました。

そして調べた結果、黄耆にはイソフラボンが含まれていることが分かりました。



え?イソフラボンはいいのではないの?



調べてみるとイソフラボンで悪化するという説もあり、やっぱり良くないのかも、と服用を止めました。



その当時は体調が物凄く悪くて、もしかしたらもう長くはないかも、って思うぐらいで調べものどころではなかったのでそこまででしたが

最近になり、また思い出して調べてみました。



すると面白いことが分かりました。



まず、イソフラボンの定義から。

イソフラボンとは狭義には「3-フェニルクロモン」という化合物をしまします。構造式はこちら

しかし通常、「イソフラボン」とか「大豆イソフラボン」といった場合、「イソフラボン類」を指していることが多いです。

「イソフラボン類」とは、イソフラボン骨格を有する化合物、つまり3-フェニルクロモンが若干変化した化合物の総称です。マメ科の植物に多く含まれます。

大豆の場合、ゲニステイン、ダイゼインなど12種類が含まれるそうです。

そしてゲニステインやダイゼインなどは、その構造が女性ホルモンであるエストロゲンに類似していることから、エストロゲン様作用を有するとされ、植物エストロゲンなどとも呼ばれます。

そしてこれらはエストロゲン受容体に対しアゴニスト(エストロゲン作用を増強させる)として作用するので更年期障害にいいとか、いやアンタゴニスト(受容体と結合するとエストロゲンとは違う作用をし、エストロゲン作用を阻害する)として作用するので乳がんの予防になるとか、いろいろ言われてきました。

大規模な調査では、大豆を多く食べる方が乳がんになりにくいとの結果が出ているようです。

しかし

大豆を多く食べる食習慣をもつ人というのは、野菜やお茶を大目に摂取している場合が多いし、もちろん肉や乳製品などの動物性たんぱく質の摂取量は少なめになります。

だから、それだけでは何とも言えない。

それをマウスの実験で確かめてみたグループがありました。

彼らの論文がこちらです。

Isoflavones in soy flour diet have different effects on whole-genome expression patterns than purified isoflavone mix in human MCF-7 breast tumors in ovariectomized athymic nude mice

和訳:大豆粉食のイソフラボンは、卵巣切除無胸腺ヌードマウスのヒトMCF-7乳房腫瘍において精製イソフラボンミックスとは異なる影響を全ゲノム発現パターンに与えます

無胸腺かつ卵巣摘出したマウスにヒトの乳がん細胞を植え付けて40mm2の腫瘍を作り、大豆粉末(MS)、精製イソフラボン(MI)、エストラジオール(PC)、プラセボ(NC)をそれぞれ与えて腫瘍がどう変化したかを観察したものです。



その結果、

エストラジオールを与えられたグループ(PC)は腫瘍増大

プラセボ群(NC)は腫瘍縮小

大豆粉末(MS)は変化なし

精製イソフラボン(MI)はエストラジオールほどではないが増大

というものだったそうです。



そして研究者らはこの結果が遺伝子の発現によるもので、大豆粉末食の場合は抗がん遺伝子が作用し、精製イソフラボンでは発がん遺伝子が作用する、そう結論付けたようです。



遺伝子については私もよく分かりません。もしかしたら解釈間違ってるかもしれません。

しかし、大豆粉末と精製イソフラボンは違う、大豆に抗がん作用があるのだとすればそれはイソフラボン類ではなく、それ以外の部分が作用している可能性がある、ということは確からしいです。



ようやく納得しました。

大豆は、イソフラボン類が含まれているものの、抗がん遺伝子を発現させるので、乳がんを悪化させることはない。

そうですよね

更年期障害に効く、っていうデータはあるようですので。それが乳がんに効くわけがないでしょう。



マウスを使った実験のおかげですね。

ヒトの乳がん細胞を胸腺のないマウスに植え付けても、ヒトの乳がんと同じように進行するとは限らないので、乳がんが治る方向の研究についてはマウスの実験もいまいち信用できなかったりします。

しかし悪化する方向のデータは信用できます。だって本来そこにあるはずない細胞ですから、そのままでは悪化するわけないんです。上記プラセボ群では腫瘍が縮小していることからも、それはわかります。

この論文の実験データには納得です。



しかしネズミさん達も大変ですね。胸腺も卵巣も取られてがん細胞植え付けられて、人間のために犠牲になってくれている。

ありがたいことです。というか、なんか申し訳ないです。

今年はネズミ年でもあります。

ネズミさん達に感謝し、供養をしましょう。


2020年1月 6日 (月)

新年のご挨拶 2020

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。



旧年中はいろいろとありました。

5月に乳房全摘出の手術を受けました。左右とも。

術後、傷口が落ち着くまでに3ヶ月かかりました。

そのあと経口抗がん剤「TS-1」の服用を開始。

最初は副作用もあまりなく、これなら続けられるかも、と思っていたのですが

3週目が終わる秋頃には慢性疲労が酷くなってきました。

白血球も少なめだったので休薬期間を延長することに。

年末年始に慢性疲労が酷くなるといろいろと大変なので、4週目は年が明けてからにすることにして、それまでは休薬中です。



休薬期間を延ばしたことで、慢性疲労も少しは改善してきました。

服用し始めてから始まった便秘も、休薬と、食物繊維多めのおせちで改善しつつあります。

しかしこれがまた服用開始するとどうなるか分かりません。

身体がだるいとブログもなかなか書く気になれませんし。困ったものです。



今年も抗がん剤の副作用には悩まされそうです。何かいい案がありましたらお寄せください。



本年も皆様が御健勝で御多幸でありますよう、環境ホルモンを排除し発がん性物質も排除し、間違っても乳がんになったり前立腺がんになったりしませんよう、心からお祈り申し上げます。


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  • がん対策推進基本計画
    厚生労働省が平成24年に発表したもの。これによると、治療せずに様子を見る「経過観察」はしちゃダメ!なのかな?なんで?w
  • 国立がん研究センター
    食事療法については何も載っていません。アルコール摂取を控えましょう、肥満に注意しましょう、ぐらい。

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  • サラ・ブライトマン: 神々のシンフォニー
    日本盤のみボーナストラック追加。
  • 3/8にリマスター発売。
    Pink Floyd: 狂気
    まさに「狂気の沙汰」ですね。
  • Walk This Way
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    エアロスミスとのコラボ。
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    あるプログラムでの使用曲。
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