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2020年3月18日 (水)

運動と感染症予防

新型コロナウイルスが猛威を振るっています。

正式名称は「SARS-CoV-2」 (Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2=重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)、このウイルスによって発生する病気が「COVID-19」(CoronaVirus Disease, 2019)だそうです。

最近、メディアによく登場するようになりました。

我が家の近所でも感染者の発生が確認されました。

困ったことに私は今、服用している抗がん剤「TS-1」の副作用で白血球数が減っています。

感染したら、重症化するかもしれません。

というわけで、書きたいことはどんどん書いていくようにします。でないと間に合わなくなるかもしれないので。



とりあえず、話題のコロナウイルス関連から。



さて

その新型コロナウイルスの感染予防なんですが、必ずと言っていいほど出てくるのが「マスク」「手洗い」「人混みを避ける」、そして「運動」です。

しかし、おかしいと思いませんか?

感染拡大のクラスターとなったのが「スポーツクラブ」や「ホットヨガスタジオ」。運動が感染予防になるのであれば、そういう所に通ってる人は殆ど感染しないはずなのに。



どうして常日頃運動してても感染するのか?



それについては、アスリートと免疫についての論文が参考になります。

こちらの論文には、運動しすぎると免疫の「オープンウィンドウ」状態になってしまうと書かれています。

> 運動と免疫についての研究は多く報告されている.その中でもペダーセンらによって提唱された学説が「オープンウインドウ」である.

>「オープンウインドウ」とは,激運動後に一時的な免疫抑制状態が生じるとされる説である.実際に多くの研究で,唾液SIgA分泌の低下やリンパ球数の減少などが報告されている.

>しかも,疫学調査で一流のアスリート選手や激運動を行っている人は,上気道感染症にかかりやすいと報告されている.

>このように,激運動は,一過性に免疫機能を低下させ,感染症にかかりやすくするようである.

 
どういうことか?こちらに詳しく解説があります。

運動すればかぜをひかなくなりますか?
https://m-repo.lib.meiji.ac.jp/dspace/bitstream/10291/14630/1/jinbunkagakuronshu_57_37.pdf

>これまでの研究でも適度な運動がかぜに対して予防的効果をもつことが分かっている。

>ところが,これとは反対にオリンピックに出るようなすばらしい身体能力を持った人がかぜをひきやすかったり,胃腸に不安を抱えていたりすることがある。

>1987年のロサンジェルスマラソンの参加者を対象にした研究では,ランナーがレース後に上気道感染にかかる率は同じようにトレーニングをしているがレースに参加しなかったランナーに比べ6倍も高かったことを示している

> 一過性の運動の影響とは逆に習慣的な運動が免疫機能を上げる可能性を示すことも報告されている。例えば,ウ ォーキングを習慣的に行っている高齢者の上気道感染症にかかる割合は同年代の人の感染率である50%に比べ半分以下の21%であった

> Tomasiらはエリートクロスカントリースキーヤーの唾液中の免疫グロブリンA(lgA)濃度が低いことを観察しており,レースの後ではさらに低下が見られることを報告している

>最大強度のような強い運動では,NK細胞の増加は極めて顕著となり,その濃度は安静時濃度の5倍にまで上がることがある。

>運動を終了するとこれらの反応は急速に収束することになる。

>運動中に大きな増加を示した細胞ほど大きな低下を示す。つまり,NK細胞が著しい低下を示すことになる。

>運動強度が高いほど傷害活性は高くなるが,運動が終了すると速やかに低下する。有酸素運動のような強度が低い運動の場合には運動中の増加の程度低く(ただし有意ではある),運動後の低下も小さなものである。

Openwindow  

要するに

強度の高い運動は運動中は免疫が上がるが、終わった後は運動前より免疫が下がる。この状態を『オープンウィンドウ』と呼び、この時間帯は感染症にかかりやすくなる。一方、軽めの運動だと運動時の免疫上昇は少ないが、運動後にはそれほど下がらず『オープンウィンドウ』 状態にはならない。

ということです。

つまり、

スポーツクラブやヨガスタジオで「激しい運動」をして、その後ロッカールームやお風呂や併設ショッピングモール、公共交通機関などで多くの人と接触することは、感染症予防のためには全くの逆効果でしかない、ということなのですよ。

感染症予防のために運動を勧めるメディアの多くがこの視点に欠けています。

しかも、「強度の高い」運動がどの程度のものかは人それぞれです。もともと筋力も持久力もある人ならばちょっと動くぐらいは平気でしょうけど、体力が落ちている人には、ちょっとした運動でも「強度の高い」運動になりかねません。

しかも、女性の場合は運動による免疫低下で男性よりも上気道感染症にかかりやすいそうです。

運動を勧めるなら、こういう情報も併せて紹介しませんと。



ウォーキングなら上記の論文のような「感染症にかかる割合が減った」というエビデンスがあります。

1人で歩くのなんてイヤだ、みんなでワイワイやりたい?

そういう人が感染しやすいのかもしれません。

1人でいても寂しく感じないようにメンタルを鍛えておくことも、感染症予防になるのかも知れませんね。



今回もやっぱり、「ウォーキング」と「瞑想」が大事、という結論になりました。

運動してNK細胞活性化でがん治療or予防、とか言ってる人は、運動後のこともちゃんと考えましょうね。


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  • がん対策推進基本計画
    厚生労働省が平成24年に発表したもの。これによると、治療せずに様子を見る「経過観察」はしちゃダメ!なのかな?なんで?w
  • 国立がん研究センター
    食事療法については何も載っていません。アルコール摂取を控えましょう、肥満に注意しましょう、ぐらい。

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  • サラ・ブライトマン: 神々のシンフォニー
    日本盤のみボーナストラック追加。
  • 3/8にリマスター発売。
    Pink Floyd: 狂気
    まさに「狂気の沙汰」ですね。
  • Walk This Way
    RUN D.M.C.:
    エアロスミスとのコラボ。
  • Somewhere I Belong
    LINKIN PARK: METEORA
    あるプログラムでの使用曲。
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