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2018年6月21日 (木)

乳がんヨガ

先日、こんなイベントがあるのを発見しました。

【募集開始】乳がんヨガ指導者養成講座 つくば市

ほぉ。以前、ヨガとは言えないヨガセラピーの講師を務めた方が、今度は「指導者養成」ですと。

なーにやってんだか。

と思ったら。

乳がんヨガ」、大々的に宣伝してやってるんですね。

しかも、サイトでは「術後の回復にリハビリとしてのヨガを推進しています」とありますが、指導者養成講座へのリンクの画像には「乳がん患者さんにヨガを教えてみませんか」とあり、対象が「乳がん経験者」なのか「乳がん患者」なのかハッキリしません。

一応、サイトでの文章読む限りは対象は「乳がん経験者」のようです。おそらく医療広告ガイドライン対策でしょう。

どうやらこの「メディカルヨガ」。こちらの本を教科書にしているようです。

メディカルヨガ-ヨガの処方箋

中古品を買って読んでみました。amazonよりヤフオクが安かったのでブックオフヤフオク店からの購入です。

この本自体は、真面目な本です。ヨガの基本も書かれているし、各症例に応じた内容は医学的根拠を伴って書いてあります。食事のアドバイスもありますし、安全にも配慮しています。

しかし「乳がん」の章はありません。

あるのは「がん」の章。第12章です。

その章の最初のページ(p200)に、ある乳がん患者さんが「慢性病患者にヨガを教える正看護婦(原文ママ)」からヨガセラピーを受けることになるまでの経緯が記載されています。

手術後の、化学療法中に受け始めたのだそうです。

次のページには「ヨガができること」という項目があり、こう書かれています。

以下引用

-----

ヨガを通じ、がん患者は化学療法などの治療の期間やその後のストレスを和らげ、副作用を乗り切ることができるでしょう。がん治療を受けている人は通常、力強い動きのヨガは行いませんが、ヨガのポーズはそれぞれの身体の状態に合わせて調整できます。心身回復の姿勢と簡単な呼吸法(プラーナヤーマ)は活力を与え、なおかつ、リラックス効果があり、また身体に負担をかけることはほとんどありません。瞑想やイメージ・トレーニングには、深いリラックス効果があり、不安を和らげることができます。

-----

この後、瞑想、呼吸法などのについての記述が続きます。

注目すべきはここです。

>ヨガを通じ、がん患者は化学療法などの治療の期間やその後のストレスを和らげ、

化学療法を受けていることが前提のようです。

何故か?

以前書きましたね。乳がん患者が運動するとどうなるか。

実際、p202には「痛みがひどくなったとの否定的なコメントをした人がいました。」との記述があります。

科学的根拠としては、よくある「QOLの向上」と、p203で「悪性黒色腫患者の疲労感、抑うつ感、精神的混乱を大きく和らげ、がんと闘うナチュラルキラー細胞の働きを活発にすることがわかりました。」
とあるのみです。

6年後の追跡調査で、悪性黒色腫患者のうち認知行動療法(ヨガとは書かれていない)を受けた34人のうち死亡者は3名、比較対照群、つまり認知行動療法を受けなかった34人のうち死亡者は10名。
悪性黒色腫とは皮膚がんの一種で、メラノーマと呼ばれるものです。オプジーボが適用されることでご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

ほくろのような黒いシミが特徴。紫外線曝露と機械的刺激が影響しているのではないかと考えられているようです。

NK細胞が増えたとはいえ、6年後の死亡率が1割弱。行わなかった場合と比べて確かに減ってはいます。

おそらく、紫外線曝露が多かった方がそれを減らし、認知行動療法を行うことで免疫が改善した、ということはあるのかもしれません。

ですが、機械的刺激でメラノーマ発症された方が、認知行動療法による機械的刺激で悪化された可能性はないのでしょうか?

さらには、確か、NK細胞はただ増やしただけでは効果なかったのではありませんでしたか?

呼吸法や「マインドフルネス瞑想法」による効果はあるでしょう。もしかしたら免疫チェックポイントを改善する方向にはたらくこともあるかも知れません。それならそれで、アサナを行う前にしっかり呼吸法や瞑想法を行っておくべきです。



何故なら、p212を見てください。



「スーダ・キャロリン・ランディーンはクリパル・ヨガの指導者で、三度にわたり乳がんを克服したのですが、手術後1週間はストレッチを控えることを勧めています。また、自らの経験から、控えめにヨガを楽しむことの重要性を述べています。」



この記述からは何ともいえませんが、おそらくこのスーダ・キャロリン・ランディーンは、ヨガの指導者として働きながら、乳がんが再発した経験を持っているのではないでしょうか。

だから、自分の経験から、ヨガは控えめにしなさいよ、とアドバイスしているのではないでしょうか。



メラノーマや内臓系のがんなど、ホルモンが関連しないがんも含めた「がんヨガ」ではなく、ホルモンの影響の大きい「乳がん」患者や経験者を対象とした「乳がんヨガ」。

大病院が率先して行うのも理解できます。何しろ抗がん剤やホルモン療法などとの併用必須ですからね。併用しなければ悪化します。間違いないです。



ちなみに、他にもいろんなヨガやってるらしいですが、「メディカルヨガ」の本に出てくる「うつ病」「不眠症」「糖尿病」「繊維筋痛症」などのクラスはないようですね。

「うつ対策ヨガ」なんて流行りそうですが…

何故やらないか?反西洋医学系の人ならピンとくるでしょう。



「向精神薬が売れなくなるから」



結局、こういうことです。あー疲れた。アイアンガーヨガの本に載ってたアサナでリラックスしよう。

機会があれば、「メディカルヨガ」と「アイアンガーヨガ」の違いも書くかも知れませんが、それは、問い合わせの返事が来てからですね。

2018年4月 6日 (金)

がんと運動

先日、FBのタイムラインにこんな記事が流れてきました。本文も引用します。


2018年2月16日より18日までアメリカ合衆国フロリダ州オーランドで開催されたThe Cancer Survivorship Symposiumのポスターセッションにて、術前化学療法中の乳がん、大腸がん患者に対する運動の疲労軽減、身体活動向上の効果を検証したPACT試験(Abstract 99)の結果がUniversity Medical Center Utrecht・Anne Maria May氏らにより公表された。
PACT試験とは、術後化学療法治療中のステージI-III乳がん患者(N=204人)、ステージI-III大腸がん患者(N=33人)に対して1週間に2回の頻度で理学療法士監視下にて60分間のサイクリング、ジョギングなどの有酸素運動、筋力トレーニングをし、1週間3回の頻度で自宅にて30分間の身体活動をする群(運動強化療法群)、または通常の身体活動をする群(通常ケア群)に無作為に振り分け、ベースライン時より4年後のMultidimensional Fatigue Inventory(MFI)に基づく疲労スコア、Short Questionnaire to Assess Health-enhancing Physical Activity(SQUASH)に基づく身体活動レベルを比較検証した多施設共同試験である。
なお、本試験に参加した患者204人の内4年後に生存していた患者は128人、その内訳は乳がん患者110人、大腸がん患者18人であり、運動強化療法群は70人、通常ケア群は58人である。
本試験の結果、ベースライン時より4年後の疲労スコアは通常ケア群に比べて運動強化療法群で-1.13(95%信頼区間:-2.45~0.20)減少を示したが、統計学的有意な差は確認されなかった。また、身体活動スコアも疲労スコア同様に通常ケア群に比べて運動強化療法群で高く、その値は141.77分/週(95%信頼区間:1.31~281.61)を示していた。
以上のPACT試験の結果よりAnne Maria May氏らは以下のように結論を述べている。”化学療法中の運動は、疲労、吐き気、痛みなどの治療関連有害事象(TRAE)を減少させる効果があることはよく知られています。しかし、4年間の長期に渡ってその効果があることを証明した試験はPACT試験が初めてです。”


こんな記事を目にして、

「やっぱりがん患者も運動した方がいいのか!ブログ書いてるアナタもフィットネスクラブに復帰しなさいよ!」

などとお考えのそこのアナタ。



よーく、読んでください。

「なお、本試験に参加した患者204人の内4年後に生存していた患者は128人、その内訳は乳がん患者110人、大腸がん患者18人であり、運動強化療法群は70人、通常ケア群は58人である。」



204人中128人生存?って、4年生存率63%?

しかも元の論文では「乳がん患者204人と大腸がん患者33人の237人、そのうち適した者は197人」になっている…?

そして4年後に応じたのが128人。

最初の237人のうち、他の109人が亡くなったのかどうか、abstractだけでは分かりませんでした。



「18週間の運動プログラム」を実施とのこと、約4ヶ月ですね。もしかしたら237人のうち適した197人を除く40人は、その間に亡くなってしまったのかも。



国立がん研究センターのがん情報サービスによりますと、日本では乳がんは5年生存率9割近いし大腸がんも7割程度です。

なのでもし「生存者128名」となると、4年でこの数値ですから

乳がん、大腸がん患者が運動すると生存率が落ちる

という結論が妥当なのでは…?

しかしこの論文はオランダで書かれたもの、オランダの5年生存率調べてみましたが分かりませんでした。


また、こんな記事もあります。

専門医に聞こう:乳癌に対する食事と運動の効果

生活習慣の要因、乳癌、うつについて
食事や栄養などの生活習慣のうち、不安やうつを和らげるのに効果的な要因はありますか。(乳癌と診断されるまでは、不安やうつの問題はなかったように思います)。
Ligibel医師:多くの試験によって、不安やうつには運動が効果的であることが明らかになっており、ほんの少し体を動かすだけでも、気分が改善されることが示唆されています。通常、少しずつ運動を始めることと、始める前に主治医に相談することを推奨していますが、データから、散歩などの適度な運動は、ほとんどの乳癌サバイバーが安全に実行でき、さまざまな点で健康によいことがわかっています。
癌サバイバーでの情報は限られていますが、体重を減らすことは、女性のうつに有効であるということも確認されています。



注目すべきはここ。

散歩などの適度な運動は、ほとんどの乳癌サバイバーが安全に実行でき、さまざまな点で健康によいことがわかっています。」

散歩程度なら、日常生活で出来ますよね。

徒歩や自転車での通勤・通学・買物等、自宅や職場内での階段の昇り降り、お子さんやお孫さんの送迎等、ペットの散歩、などなどを普通に出来る方は特に問題ない、ということではないでしょうか。

この記事はどちらかというと「寝たきりは危険ですよ」っていう話なのではないかと思います。

抗がん剤の副作用がきつくて寝てるだけの人、いますよね。私は大腿ヘルニア手術後の一時期がそうでした。

そうなると筋力落ちてサルコペニアにもなる危険性が出てきます。

そこだけは気をつけましょう、という話でしょう。


いや、でも、太ってるとがんリスク上がるし…という方。

もしかして、こんな記事を読んで、よし、運動して減量しよう!などとお考えですか?

閉経後の肥満、乳がんのリスクに 40~50代は要注意

乳がんの発生・増殖には、卵巣で作られる女性ホルモン(エストロゲン)が関係しており、特に排卵時期に分泌されるエストロゲンにさらされる時間が長いほど、発症リスクを高めるとされる。昭和大学医学部乳腺外科の中村清吾教授は「妊娠初期には、乳がんとの関係が深いエストラジオール(E2)というタイプのエストロゲンの分泌が低下するので、妊娠・出産回数が多いほど、乳がんの発症リスクは下がる」と話す。
また閉経後は、卵巣で作られるエストロゲンが大幅に減少し、その代わり、わずかではあるが体内の脂肪組織でエストロゲンが作られるようになる。そのため、BMI(肥満指数)が25を超える肥満の女性の場合、血液中の女性ホルモンが増加することで、乳がんの発症リスクが高まってしまう。閉経後は体脂肪のコントロールをすることが予防のカギだ。



はい、ここにも落とし穴があります。

「体内の脂肪組織でエストロゲンが作られる」

この表現。ネット上でよく見かけます。

しかし、脂肪細胞がそのまま女性ホルモンに変化するわけではありません。

エストロゲンは、「アンドロゲン」というホルモンから酵素アロマターゼを介して合成されます。

「アンドロゲン」は男性ホルモン、男性は精巣から、また男女ともに副腎からも分泌されます。テストステロン、ジヒドロテストステロンなど数種類が含まれます。



「テストステロン」。はい、フィットネスマニアなら聞いたことがあるはずですね。

そう、筋肉を増強してくれるホルモンです。
女性の場合、これが酵素アロマターゼを介してエストロゲンになるのです。



なので

運動する→テストステロン分泌→エストロゲン合成→乳がん進行

となるわけです。

なので、がん予防のために減量したいなら、一食抜いて代わりにお茶を飲む程度の、軽めのファスティングをお勧めします。



また、運動すると「成長ホルモン」も分泌されます。

この成長ホルモンも、がん細胞を成長させてしまうのです。

高身長の人ほど「大腸がん」になりやすい

性格とは無関係である一方で、がんが体形と関係することはわかっている。世界がん研究基金の報告書によると、「身長の高さ」によって、大腸がん、閉経後の乳がんはリスクが「確実」に高くなり、膵臓がん、閉経前の乳がん、卵巣がんはハイリスクの「可能性が高い」と分析されている。
高身長とがんの影響では、現在、成長ホルモンの働きに注目が集まっている。成長ホルモンには発達を促進するだけでなく、細胞の「アポトーシス」を阻害する働きもある。アポトーシスとは「細胞が自ら消滅する」ことを意味する言葉で、がん細胞の始まりとなる細胞の多くはアポトーシスされるので、人はがんにならない(それを逃れたら、がん細胞となっていく)。成長ホルモンが多く分泌される人は、アポトーシスが阻害されるため、がん細胞が増殖しやすい、と考えられている。



この他、成長ホルモンによって生成されるIGF-1(インスリン用成長因子1)が乳がん細胞の成長を刺激する、とも考えられています。これは「乳がんと牛乳」にも載ってました。



なので

乳がん患者は、せいぜい脚の筋肉を維持する程度の運動しか、出来ないのですよ。

アロマターゼ阻害剤飲んでれば大丈夫?

いや、耐性の問題があります。

おそらく、激しい運動続けてる方が耐性つきやすいでしょう。



それでも運動を勧める人は、エビデンス提示してくださいね。

特に、フィットネス関係者。

その中でも特に、メディカルヨガ関係者!

「ため息呼吸」についてもよろしくお願いしますw

2018年4月 4日 (水)

薬剤耐性

さて。

今は小康状態の私の乳がん、最近また少し悪化してきました。

まぁ、原因はほぼ確定してるのですが、ネットでいろいろと調べてみたら、面白いことがわかりました。


いわゆる「抗がん剤」というのは、遺伝子の複製を阻害するものです。

がん細胞だけでなく正常細胞の遺伝子複製も阻害するので、髪が抜けるなどの副作用が出ます。

Wikipediaには「抗がん剤の作用機序としては、DNA合成阻害、細胞分裂阻害、DNA損傷、代謝拮抗、栄養阻害などがある。腫瘍細胞はいくつかの種類のものが混在しており、更に耐性を得やすい。」とあります。


注目すべきはこの「耐性を得やすい」というところ。


遺伝子の合成阻害に関しては、がん細胞は遺伝子を変異させて阻害を逃れることが知られています。これらの変異遺伝子はAnti Drug Gene、略して「ADG」と呼ばれます。

論文では○○耐性、という形で良く出てくるんですが、ネット上には患者向けに分かりやすく解説したものは見当たりません。せいぜいこのくらい。

古いタイプの抗がん剤、「遺伝子合成阻害剤」などと呼ばれる薬にこういう耐性があるのは知られていました。

この方などは抗がん剤治療を続けていたら、がん細胞にどんどん耐性がついてしまい、国内では使える抗がん剤がなくなり、日本ではまだ認可されていない抗がん剤での治療を受けに海外にまで行っていたそうです。すでにお亡くなりになってますが。


…と、ここまでは、何年か前に調べました。


しかし。

去年の暮れから始めた「ホルモン治療」。

これに関してはどうなのか?

調べてみました。


乳がんの内分泌抵抗性獲得メカニズムの解明


へぇ、抗エストロゲン製剤も、アロマターゼ阻害剤も、長期投与で耐性を獲得しちゃうんですね。

すごいですね、がん細胞。


他はどうだろう?

広い意味での「抗がん剤」には、分子標的薬も含まれます。最近では免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ」が「夢の薬」などと呼ばれてもてはやされてますが。

検索したら、こんな記事が。

「一方で、薬が効かなくなった例も見つかった。九州大学病院で従来の抗がん剤など計7種類を投与した後、治療の選択肢がなくなった70歳代の女性にオプジーボを投与したところ、約1年で効果がなくなった。中西洋一・副病院長は「一定の割合で薬に耐性が生じる」と指摘する。」

高価な薬を頑張って使い続けても、効かなくなっちゃったりするんですね。

「夢の薬」の正体見たり。

新薬認可→治療→耐性獲得→また新薬認可→治療→耐性獲得→ ...(以下無限ループ)


耐性獲得を避けるため、短期間に腫瘍を縮小させようと大量処方したりすると副作用がひどくなりますし。

やっぱり、何とか免疫系を正常化して強化して、がんに対抗するしかなさそうですね。



2018年1月25日 (木)

アロマターゼ阻害剤

先日、今年初めての血液検査を受けてきました。

おかげさまで、腫瘍マーカーの値は、正常範囲でした。


何が効いたのかはよく分かりません。

モーズ軟膏で腫瘍そのものを小さくした効果か、それとも昨年12月から飲んでいるホルモン療法の薬「アロマターゼ阻害剤(アナストロゾール製剤、ジェネリック品)」が効いたのか、或いは昨年末あたりから飲んでいる某サプリのせいか、はたまた時折通っている岩盤浴の温熱治療効果か?


もうしばらく様子を見て、減らせるようなら、アロマターゼ阻害剤は減らして行きたいと思っています。


なんで他のものではなく、コレを減らしたいのか?

答えはズバリ、「副作用があるから」です。


では、どんな副作用があるのか?

そもそも、アロマターゼ阻害剤とは何なのか?


こちらに、国立がん研究センター中央病院の乳腺・腫瘍内科で書かれた説明があります。

ホルモン療法の手引き
(アロマターゼ阻害剤)
https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/pharmacy/pdf/AI.pdf

「アロマターゼ」というのは脂肪から女性ホルモンであるエストロゲンを作り出す酵素なのですが、その働きを阻害してエストロゲンを作らせないようにする。そういう薬です。

いわゆる「更年期障害」はエストロゲンが少なくてそれを補充する治療を行ったりしますが、ホルモン感受性のある乳がんではその逆の治療をします。

エストロゲンを作らせない、ということはつまり、人工的に「更年期障害」のような状態を作り出している、というわけです。

当然、更年期障害のような症状が副作用として現れます。

ほてり・多汗、関節痛・骨粗鬆症などの骨症状、脂質代謝異常、心血管系への影響。

他にも、白血球減少、肝機能障害、筋肉痛、感覚異常などなど…。


私の場合は、「ほてり」はありませんでした。

「ほてり・多汗」もしかして暑がりになるの?冬だしこうなればラッキー、と思っていたのですが。

これ、書き方が悪いです。

「体温調節がうまくいかなくなる」そうで、厚着してるとほてりやすい、っていう話だそうです。

冬はむしろ、冷えます。

冷えても、それになかなか気付かない。気付いた時にはかなり冷えていて、温めてもなかなか温まらない。

がん患者にとっては「ほてり」より「冷え」の方が注意すべきなのではないか、と思いますが…。国立がん研究センターの説明には「冷え」はありませんでした。何故なのかは分かりません。



他に出たのは「関節痛」と「筋肉痛」。左膝の痛みが再発しました。

去年11月には、5kmの登山マラソンを完走しました。殆ど歩いて、ですが。

その時は何ともなかった膝が、12月後半ぐらいから、近所へのウォーキングで痛くなる。筋肉痛もひどい。買い物でも痛みます。


これ、困ったもんなんです。


前回も書きましたが、がん患者はサルコペニア(骨格筋量・筋力の低下)にならないよう気をつけなければなりません。

しかし、だからといって筋トレで筋肉を増やしたりは出来ません。

何故なら、筋肉を肥大させる成長ホルモンは、がん細胞をも成長させてしまうからです。

なので、ごく軽い運動を少しずつ続けることで、今の筋肉量を維持するしかありません。

ところが、ちょっと歩いただけで関節痛や筋肉痛になってしまうと、それが出来なくなってしまうのです。

ウォーキングは血糖値を下げたり、体温を上げて血行を良くしたり、骨粗鬆症の予防になったりと、他にもさまざまな効果があるので続けたいんですが…。


薬剤師に相談したら、痛み止めやら湿布薬やら勧められました。

抗がん剤の時にもあった、「副作用止めの薬」の処方、ってヤツです。

をいをい、アロマターゼ阻害剤、何年も飲み続けなきゃいけない薬なんですよ。

その薬での副作用を、薬で止める?それも一緒に、何年も飲み続けなきゃいけないの?

ホルモンが出来なくなったせいで回復が遅れて痛みが出てる、その痛みを薬で止めたって、骨や筋肉が回復するわけじゃなし。



もうね、西洋医学の薬はこればっかりで…。


ちなみにこの薬、副作用に「骨粗鬆症」もあります。ウォーキングも難しくなってきたので、もしかしたらそのうち骨密度下がってくるかもしれません。

そうしたらどうなるか?カルシウム製剤だのビタミンD製剤だのビタミンK製剤だの出されるわけですよ。

もしかして不勉強な医師に当たってしまったら、カルシウムの補給に牛乳の飲用を勧められるかもしれませんね。牛乳はむしろ骨を弱くするし、エストロゲンも成長ホルモンもインスリン様成長因子も含まれてますから、乳がん患者は飲んではいけないのですけど。



そうそう、牛乳と言えば。

「乳がんと牛乳」のジェイン・プラント博士、血栓か何かでお亡くなりになったようです。

” she passed away from a blood clot - an possibly an unforeseen side-effect of the medication. ”

もしかしたらプラント博士も、ホルモン治療の薬を飲まれていたのかもしれません。

ちなみに乳がんのホルモン療法には「アロマターゼ阻害剤」以外にも「抗エストロゲン剤(ノルバテックスなど)」という薬も使われますが、こちらも心血管系に影響あり。

そもそも、がん患者は「トルソー症候群」と呼ばれる、血栓が出来やすい状態にあるのだそうです。特に乳がん患者には多いようです。

というわけで、ホルモン治療の薬を飲むのであれば副作用でその確率も上がるので、脳梗塞やら肺血栓塞栓症やら、そんなのにも気をつけなければなりません。

こういう不安を医師や薬剤師に相談するとどうなるでしょう?



抗血小板製剤やら何やら、処方されるわけですよwww



はぁ…。

ここまでくると、免疫療法だとかその他の代替療法、特に副作用の少ない治療法を医学系の学会も厚生労働省も認めようとしないのは、製薬会社が儲からないからだ、という陰謀論が信憑性を帯びてきます。

でも、FBあたりで腫瘍内科医らにいくら言っても聞きません。

洗脳がひどいのか、利益相反なのかは分かりません。



中には、

「私自身、標準治療の悲惨な現実を知らない時期に、多くの犠牲者を出してしまった罪は、未来永劫忘れません。」

自著にそう素直に書いて、高容量での抗がん剤の使用を反省してる医師もいるようですけど。日本の医学はまだまだです。

2018年1月13日 (土)

2018年になりました

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。


昨年は大変な一年でした。


一昨年の秋に鼠径ヘルニアで入院、手術。

入院中に激痩せしたおかげで予後が悪く、年明けぐらいから乳がんが悪化。

頑張ってリハビリするものの、食事をうまく消化吸収できず冷えがものすごく、筋力も落ちて五十肩で腕が上がらなくなり、腫瘍が大きくなり皮膚浸潤、いわゆる「花咲き乳がん」になり浸み出してくる体液をいかに抑えるか、の試行錯誤。

自然療法は意外と効果が弱く、漢方薬も善し悪しあるのだな、と教えられました。

特に、ネットでも専門家からでも、得た情報を鵜呑みにしないこと!

例えば、「花咲き乳がん」から出血があった場合、「悪い血だから出るのはむしろいいこと。全部出し切ったら治る」みたいなことが書いてあるサイトがあります。

これ、要注意です。

本当にそれで治るのか?と、乳がん関連の自然療法系ブログを見てると、何年も全く更新されてない、或いは「ブログ主は亡くなりました」とご挨拶文が載っているものが幾つか見受けられました。

実は亡くなってる人が多い…?

よくよく調べてみると、出血は「動脈浸潤」、つまりがん細胞が動脈を破って、そこから出てきている可能性もあるのです。

出血性のショックで救急搬送されたり、お亡くなりになってる方々もいらっしゃる、と。

これは、西洋医学系の論文などで知りました。

しかし。そうとは分かったものの。出血を止める方法が、自然療法では見当たらない。

医師に相談したところ、勧められたのが「モーズ軟膏」でした。

Mohsペーストが著効した局所進行乳癌の1例
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjcs/37/6/37_1096/_pdf

調べてみて、これなら受けてみてもいいかも、と思い、施術を受けました。

私の場合、「著効した」とまではいきませんが、腫瘍がかなり小さくなったこと、出血が止まったことは大きな成果でした。

西洋医学も捨てたもんじゃないですね。


では、漢方薬はどうかと言いますと。

がん患者に処方される漢方薬として、有名なものに「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」があります。

最後の部分、「湯」が「丸」になってる場合は、形状が丸薬というだけで、有効成分は同じです。

この二つの薬に共通している生薬に「黄耆(おうぎ)」があります。

これは単体でもがんの治療に用いられるそうです。

ところが

この黄耆(おうぎ)、実はイソフラボンを含んでおります。

参考

なので、ホルモン感受性のある乳がんにはむしろ逆効果なのです。

知らずに売っている漢方薬屋さん、もしかしたら結構いるのではないでしょうか?


ここまで読んで、「やっぱり西洋医学の方が優れてるじゃないか」と呟いたそこのあなた。

私の乳がんがここまで悪化したのも、西洋医学のせいなんです。


まず最初に、抗がん剤の点滴でひどい副作用が出ました。

三週間で体重が60kg→50kgに落ちても、医師は方針を変えようとはしませんでした(ガイドライン違反らしい)。

そしてヘルニア入院時の激痩せ。この時は55kg→49kgまで落ちました。

がん患者が「がんそのもの」で亡くなる場合、がんに栄養分を取られて激痩せ(サルコペニア)し、悪液質(カヘキシア)に陥る場合が多いようです。

というわけで、肥満傾向にはないがん患者を「痩せさせてはいけない」はずなんです。

食欲もない、消化機能も弱ってる、そういう状態の人間に断食を勧める代替療法家もいて、それもまた困ったもんだと思いますが…。それはさておき。


上記の「モーズ軟膏(モーズ・ペーストとも呼ばれる)」、発明者のモーズ医師が動物実験を経て最初に人間に応用したのが1936年。今から80年以上も前の話です。

ところが日本で使われ出したのはつい最近の話。論文等検索すると2010年以降のものばかりです。

どうも、日本では原料の亜鉛華だか何だかが手に入らないとかで、長い間使えなかったみたいです。

がん治療にかかわるものって、治療法が発見されたのはかなり古いのに、今までろくに検証されてこなかったものが多いですよね。ビタミンC点滴とかアミグダリンとか。


丸山ワクチンもそう。今頃になって臨床試験やってるらしいです。


一方、漢方薬…というより中医学は、西洋医学の手法を取り入れて、随分と進んできています。

中国では検診も普及しておらず日本のような健康保険制度もないので、がん患者の多くは末期になってから病院に行きます。しかも、お金がないので高価な抗がん剤はなかなか使えません。

しかし、死亡率などは日本とそれほど変わらないのだそうです。漢方を利用してるから。

有名ところでは「天仙液」というものがあります。栄養ドリンクのような形で売っています。

中国やアジア諸国では認められているこの薬、日本では認可されていません。だからサプリメント扱いでとても高価です。

他にもいろいろな生薬があります。現在お試し中です。


ところが、日本ではまだまだ最近の中医学を取り入れようという気配はありません。

高価な上に有効率がそれほど高いわけでもなく、副作用もある免疫チェックポイント阻害剤を「夢の薬」のように崇め奉って使っています。ステマなんでしょうか?


最近、WHOが伝統医療も取り入れるとの発表をしたそうです。

これを受けて日本のがん治療は変わるのか?しばらくはそのままでしょうが、医療関係者の意識は変わっていくかもしれませんね。


今年もよろしくお願いいたします。




















2017年11月30日 (木)

再び病院へ

お久しぶりです。

シクロフォスファミドの点滴に懲りて以来、食事療法や自然療法での乳がん寛解を目指して手当などいろいろと行っておりましたが、最近になって腫瘍からの出血が激しくなりました。

最初のうちはすぐに止まったし、悪い血が出てるからむしろいいことなのかな…などと思いあまり気にしませんでした。

しかしあまりにも大量に出血することが続き、これは出血多量でどうにかなってしまうかもしれない、という危機感から再度病院へ行きました。シクロフォスファミドの病院ではなく、ヘルニア入院後血液検査をしていた病院ですが。

そこで「モーズ軟膏」というものを塗ってもらい、腫瘍表面を固めて、とりあえず出血多量の危機は乗り越えました。

どうやら、シクロフォスファミドの薬害を受けた私の身体は、自然療法では治しようもないぐらい免疫系にダメージを受けたようです。

仕方なく、ホルモン療法も始めることにしました。

しかし。ホルモン療法も、副作用が怖いんですよね…。

特に「ケモブレイン」。

最近、本を一冊読み切るのが難しくなってきています。

集中力が続かないんです。

おかげで、趣味の紙芝居製作にも影響が出ています。

やれやれ…。

何でもケモブレイン、20年近く続くこともあるとか。

そんなの聞いてたら、術前化学療法なんて絶対に断わっていたのに。

知らないということは恐ろしい。

せめて、子供達の世代にはこういったことは極力減らせるよう、拡散に努めたいと思います。

2017年10月 1日 (日)

乳がん専門医が乳がんになって

オンコロ」というがん情報サイトがあります。

腫瘍学(オンコロジー=Oncology)から名付けたものと思われます。がんの治験や臨床試験などを行う会社が開設しています。

ここに、この夏、「~乳がん専門医が乳がんになって~」というコラムが掲載されました。東京女子医科大学放射線腫瘍科教授の唐澤久美子さんが乳がんになり、その経験を小島あゆみさんというライターさんがまとめたものです。


【第1回】「自覚症状は患者本人にしかわからない。 患者さんはもっと伝えて、医療者はもっと訴えに敏感に


【第2回】「がんの治療選択で最も大事なのは 患者さん自身の「人生の質」を守ること

まずはお読みいただければと思いますが。

私の感想は、正直言って「やっぱり医師の感覚ってこの程度だったのか」というものでした。

第1回からの抜粋とコメントを下記に記します。

>こうして、抗がん剤による術前化学療法が開始されましたが、唐澤さんはもともと薬の作用や副作用が出やすい体質でした。

>実際、初めて外来化学療法を受けた日は、「抗ヒスタミン薬を飲んでから30分後には立っていられないくらい体がだるくなり、パクリタキセルを点滴した後、どうにか帰り、その日は出勤できずに翌朝まで寝込みました。翌日は予定通りに出勤したものの、今までに経験したことのないだるさで、いつ倒れるかと思いましたが、立食の会合もどうにか乗り切りました」と唐澤さんは振り返ります。

>「私はかつてパクリタキセルやドセタキセルの臨床試験を手がけたことがあり、これらの薬の効果や副作用はある程度はわかっているつもりでした。ところが、自分自身が使ってみると、これまで担当した患者さんでは経験したことがないようなひどい副作用が起こりました。特にここまでひどい下痢は経験したことがありませんでした」と唐澤さんは話します。

あのぉ。

あなたはしょっちゅう薬ばかり飲んでて、アレルギーが出やすいって把握しててるそうなので「薬の作用が出やすい」とか言ってるのかもしれませんけど。

一般の患者は「作用が出にくい」とでも思ってるんですか!?

西洋医学の薬って、「作用が出にくい」人もいるんですか?自分の患者はそういう人が多いと思ってたんですか!?

患者が「つらい」「苦しい」「きつい」等と言っても「認めなかった」だけなのでは?

あまり薬を飲まない患者の方が作用が強く出たりするもんですよ。でも患者には、それが強く出てるか弱く出てるかなんてわかりません。すごく苦しいのに、医者には分かってもらえないとしたら「自分の方がおかしいのかもしれない」と黙ってしまったりしますよね。

もしかして、その方が都合がいいから、今まではそうしてきたってことですか?

>「ラウンドのときには一応、“いかがですか”と聞かれますが、点滴の落ち具合のチェックに来ているだけのように思えたのも残念でした。私のおなかに手を当てて看てくれた看護師さんは一人だけでした。この人は看護ができていると思いましたね」

時間がないし、嫌がられるかもしれないからやらないだけでしょう。自分だってそうなのでは?

>唐澤さんがこの術前化学療法の治療や副作用での経験から学んだのは、痛みや違和感、具合の悪さは自分にしかわからない、だから、患者さんは自覚症状を必ず早めに詳しく医療者に伝えるべきだということ、また、医療者は患者さんの言葉にもっと耳を傾け、対応を真剣に考えるべきだということです。

がんになってようやく気付いたんですか。がんの治療何年やってるんですか?58歳ですから、キャリアは相当長いはずですよね?



第2回より

>「急に歳をとって体の自由がきかなくなった感じです。日中は普通に診療していますが、夕方教授室に戻ると倒れこむような状態です。

>これまでなら家で夕食を食べて夜中までもう一仕事できたところが、夕食後はもう寝るしかなくなって。依頼原稿などの仕事はどんどん溜まり、今までは原則的に受けていた論文の査読などは断るようになり、溜まると膨大になるメールの返信も滞るようになりました」。

ええ、そうですよ。疲れて、きつくて、動けない。それでも周囲からは「怠けている」と思われるんですよ。

障害年金の対象になる理由がわかりましたか?ならもっと認めやすくするよう社会保険庁に言ってくださいよ。これだけ「治療で」疲れるんですから。

>また、過去のエビデンスをまとめて診療ガイドラインに示される標準治療はすべての患者にとって適切な治療ではない、あくまでも目安なのだと強く感じたともいいます。「治療選択のときにはもちろん標準治療を参考にするのですが、実際には患者さんは一人一人が人生の目標も治療の効果も副作用の出方も異なります。

>にもかかわらず、医師の側では患者さんが、例えば“手がしびれる抗がん剤は使いたくない”“この年齢で手術には耐えられないと思う”というとカルテに“治療拒否”と書くことがあります。標準に合わない患者さんの側がダメだというように判定するのです」。

小林麻央さんが標準治療を拒否されたとの報道がありましたが、それを揶揄する人がSNSに溢れました。患者にはもともと「治療を拒否する権利」があるにも関わらず、です。

しかも苦痛を伴いQOLを下げるがんの治療なんて断った方がいい!という人も多くいます。医師の中にさえ、です。


今回は、医師が患者になって初めて「標準治療はすべての患者にとって適切な治療ではない、あくまでも目安」こういう意見が出てきました。
これを明らかにしてくれたことは良かったと思います。

何しろ、日本人の二人に一人はがんになる時代。医師や看護師だって含まれます。むしろ今までこういうことを書く医師がいなかったことが不思議です。

東大病院の医師4人は、患者には抗がん剤バンバン打つくせに自分達ががんになったら抗がん剤拒否して食事療法で治した、という話なら聞いたことがありますが。(真偽は不明)



標準治療をゴリ押しする医師は多いです。というかがんの治療はガイドラインにそう決められてるし、がん対策基本法でも三大療法と緩和ケアぐらいしか認められてないので、仕方ないとは思います。

しかし

どんな治療をするかぐらい、患者側に決めさせろ!と思います。

この方は放射線治療が楽だったと書いてますが、「痛かった」という人も多いです。特に食道がんの場合などは「痛くて何も食べられない」という人もいます。

術前化学療法、手術、術後化学療法、乳房再建術、放射線療法…全部受けていたら、身体も懐も大変です。



何しろ、日本のがん治療は、病院にとってはドル箱、稼ぎ頭なんです。

だから、病院側は検査もやりたがるし手術もしたがるし薬剤も使いたがる。

だから、代替療法を否定する。

だから、がんの予防なんてしようとしない。

この人だって、「乳がん専門医」なんですよ。なのに、乳がんの予防法すら知らない。

だから乳がんになったわけで。



おそらくマクガバン報告も「乳がんと牛乳」も読んでないでしょう。

きっとすぐ、再発しますよ。

そうしたら、またこのサイトのコラムに登場するかもしれませんね。

その時を楽しみにしております。

2017年7月26日 (水)

標準治療と代替療法 2

お久しぶりです。

ひと月ほど前の話ですが、小林麻央さんがお亡くなりになりましたね。ご冥福をお祈りいたします。

彼女のブログによると、最初は手術を拒否、抗がん剤治療したものの改善が見られず、結局手術、放射線治療も行ったもののお亡くなりに、ということらしいです。

メディアはこういう報道はせずに、気功がどうの水素温熱療法がどうのと騒いでますが…医療業界に牛耳られると「報道の自由」なんてどこへやら。国ではなく企業集団による言論統制。これが「資本主義」なんですね。

さて

小林麻央さんも受けた、手術・抗がん剤治療・放射線治療をがんの「三大療法」といい、日本ではこれが標準になっています。

ところで、どうしてこれらの治療法が「標準療法」で、温熱療法や食事療法などは「代替療法」、標準に代わるものという扱いなのか、ご存知ですか?

「そりゃ、三大療法が効果があるからでしょ?」とお答えになる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、残念ながら違います。

日本も戦前は、漢方医学や鍼灸などで病気を治すケースもありました。

しかし戦後はアメリカの言いなりです。

では、アメリカではどうしてこれらが標準となったか?

ユースタス・マリンズ著「医療殺戮」を参考に説明いたします。

19世紀末までは、医者は自由契約で診療していたそうです。ですが患者は殆ど金持ち階級、一般庶民は殆ど医者にはかかりませんでした。

王様の病気を治せば莫大な富が得られます。しかし反面、失敗したら殺されることも。

このようなリスクを減らすため、医者は少数精鋭の同業者と集まり情報交換し、仕事上のメリットとリスクを平均化しようと試みたらしく、医療独占支配を始めました。イギリス国王ヘンリー八世の時代です。

1511年に定められた法律で、「専門委員団」の許可なしに内科や外科を開業してはいけない、と定め、続いて医科大学を設置し、医師資格者とそうでない者を分け始めました。

ところが、この法律に基づいて排除されていったのが、貧しい者達を相手にしていた無資格の医者。無資格であっても貧しい者達を救っていた者がいなくなり、甚大な被害が出ました。そのためイギリスでは「無資格の医師の罪」を免除しました。

しかしアメリカでは違いました。

19世紀の医学校では、ホメオパシー(同種療法)が主流でした。

「ホメオパシーって、レメディっていう砂糖玉なめるアレ?」という声が上がるかもしれません。

それも一種のホメオパシーなのですが、ホメオパシーとは、「その病気や症状を起こしうる薬(やもの)を使って、その病気や症状を治すことができる」とする、18世紀末から19世紀初期にかけてザムエル・ハーネマンが唱えた治療法です。

例えば花粉症の治療に「舌下免疫療法」というのがありますね。アレルギーの原因物質(アレルゲン)を含むエキスを舌の下に投与し、体内に吸収させる方法で、この投与を継続的に行うことで症状を軽減させていくものです。これもホメオパシーの一種。それらを全て含めての「ホメオパシー」です。

「でも、ホメオパシーってアレルギー以外に効くの?」って疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

1854年のコレラの大流行の際、ホメオパシー治療では死亡率16.4%だったのに対し、アロパシー(対症療法、今の日本での標準医療)治療では50%だったとか。

また、猩紅熱、ジフテリア、百日咳、はしかによる小児死亡率が90%も低下したのは1860年から1896年の間。抗生物質や予防接種の導入前の話。ホメオパシー医療もこれらの死亡率の低下にかなり貢献したと思われます。

1847年の米国医師会設立当時も、ホメオパシー医師がアロパシー医師の二倍以上いたそうです。

ところが、米国医師会は、ホメオパシー医師を排除しだします。

どちらも効果がある治療法なら、共存可能なはずだし、得意分野毎での棲み分けも可能かと思われますが…。

医療を独占支配したのは、石油独占支配に成功したジョン・D・ロックフェラーでした。

そして、消滅寸前だった米国医師会を、製薬会社を巻き込んで支配し強大な権力を得たのがジョージ・H・シモンズ博士。悪名高い「ニセ医者」で、実際はジャーナリストでろくに診察したことはないそうです。しかも当初は、ホメオパシー医師である旨、広告に記載しておりました。

このシモンズ博士と、片腕だったモリス・フィッシュべインは、薬の認可などで製薬業界から多大な利益を得ました。

製薬会社の株を買う→薬を認可→株が上がる→下がる前に売り抜け

なんてインサイダー取引w

こうして、製薬会社と癒着して危険な薬でも何でも認可する、という体制が出来たのです。

例えば、メルク社の「トリパルサミド」という薬。

梅毒の症状を抑えるための薬でしたが、ヒ素を含んだ危険な薬でした。実際、開発者のポール・エリックはこの薬のせいで視神経が委縮して失明する恐れがあることを発見してこの薬を放棄しました。しかしエリックが警告しても、米国医師会やメルク社、ロックフェラー医学研究所は受け入れず、販売を続けました。

薬害はこの頃から、だったんですねぇ…。

逆に、ヨーロッパで実績のある敗血症の薬、スルファニルアミドはなかなか認可されませんでした。

製薬会社がフィッシュベインの望みどおりの対応をしなかったので。

ルーズベルト大統領の家族の一人が敗血症になりかかって急遽取り寄せて使用、ようやく認可されたそうです。

さらに、1962年、議会は製薬会社に、医薬品の効能の証明を義務付ける厳しい規制法案を可決しました。

困ったのは製薬会社です。何しろ効能のない薬を売っていたものですから。

米国医師会は「小競り合いをすればよい」というアドバイスを与えました。

薬の効能の証明から目をそらすために、他をけん制しろ、という意味だったようです。

「ニセ医療撲滅戦争」勃発です。どこかの匿名医師みたいですねw

具体的には

・カイロプラクティック撲滅
・「ビタミンをもっと摂取しましょう」などと食事療法めいたビラ配りも禁止
・薬草などを原料とした膏薬、民間薬の規制(薬害報告などは一切出ていない)

特に「レアトリル」(ビタミンB17、枇杷の葉や種、梅干の種などに含まれる天然の抗がん物質)を扱う業者は徹底的に「手入れ」を行われました。がんは当時から製薬会社のドル箱、抗がん剤をもっと売りたいのにこういうものが売られていては邪魔だったからです。

反面、石油系製薬会社の薬は保護されました。

しかし、この「ニセ医療撲滅戦争」は長くは続きませんでした。

薬草を細々と販売する老人を刑務所に入れる、などという恐怖政治への反動が起こったのです。


では、放射線治療はどうでしょうか。

放射線治療の始まりはメモリアル・スローン・ケタリング病院と関わりのあるフェルプス・ドッジ社会長のジェームズ・ダグラスが、自分の鉱山に放射性物質の鉱床を発見したことがきっかけで、政府の鉱山局を動かし、国立ラジウム研究所を設立したあたりから始まります。

ジェームズ・ダグラスは、メモリアル病院に10万ドルの寄付を約束しました。但し自分の主治医を雇う事と、メモリアル病院をがん治療専門とし、がん治療にラジウムを使うという条件付きでした。

メモリアル病院はこれを受け入れました。

当初は放射線はがんに効果がある、と信じてのことでした。

1924年、メモリアル病院では18000ドル分のラジウムを治療に使い、70000ドルの治療費を請求したそうです。

しかしどれだけ実験しても治療しても、効果は確認できませんでした。

「症状が重いため放ったらかしにされた患者の方が、症状が軽くて治療を受けた患者よりも、実際の生存期間は長くなっている」

元上院議員のヒューバート・ハンフリーは1973年に膀胱がんが見つかり、X線照射の治療を受けて1976年に主治医は「われわれの見る限り、上院議員のがんは完治した」と発表しました。さらに放射線治療の宣伝のために頻繁に引き合いに出されました。薬剤師の資格を持った議員なので医療業界の広告塔となったのでしょう。

しかし本人は、死ぬ直前には放射線治療に幻滅していました。その後ハンフリーは抗がん剤治療を受けて衰弱、最後にはメモリアル病院に戻ることをきっぱりと拒絶しました。そして1978年1月に亡くなりました。

さてこのような「標準治療」ですが、1987年、米国ガン協会の理事も務めたアンナ・ローゼンバーグがガンの治療法を「外科手術・抗がん剤・放射線療法」に限るべき、と言い出しました。

しかし1988年2月にはワシントン・ポスト紙に「がん治療は有害」という記事が掲載されます。

どうやらこの頃から、「外科手術・抗がん剤・放射線療法」ではがんは治らない、ということが一般庶民にもわかってきたようです。

最近になってようやく「ホリスティック医療」という、病気を身体の組織全体でとらえる新しい動きが起こってきました。

しかし日本ではまだまだです。何しろアンナ・ローゼンバーグの「がんの治療法を『外科手術・抗がん剤・放射線療法』に限るべき」という発言、これを「がん対策基本法」で実施してしまっていますから。

しかもこの法律の制定は平成18年、2006年です。「乳がんと牛乳」などの著書がすでに出ていた時期です。欧米では既に三大療法以外の治療法へ舵を切った後に、です。

敗戦国だから仕方ないとはいえ、上記のようなアメリカ発の滅茶苦茶な医療を押し付けられてばかりでは、助かる命も助かりません。

小林麻央さん。改めて、ご冥福をお祈りいたします。

2017年6月 5日 (月)

標準治療と代替療法 1

ちょっと前ですが、こんな記事が出ました。

父の死で知った「代替療法に意味なし」
悲しき善意が生む地獄の苦しみ

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/030300121/042800010/?n_cid=nbpnbo_twbn

このライターの父親ががんで、母がアルツハイマー型認知症で亡くなったそうですが、その時に代替療法を勧めてくる知人に閉口した、という記事。

まぁ、そういうことはままあることです。

しかし、「代替療法に意味なし」ってのは早計ですねぇ。ってか、この人、がんやアルツハイマー型認知症という病気そのものを良く知らないので、代替療法を選びようがなかったのだと思います。

要するに、無知をさらけ出してるだけ。

しかもこれ、「父の死」というよりむしろ「母の認知症」に関する代替療法の例ばかりです。

がんに効く代替療法はいくらでもあるので、殆ど書けなかったのでしょう。

というか、父が死の準備をゆっくりできたのは、代替療法で健康を維持しながら、だったのではないかとむしろ勘ぐりたくなる内容。

「高価だ」と嘆いているのは「キノコや海草のエキス、北米原住民のハーブ、アンズや梅の種の抽出物」。それほど高くないものばかりです。実際にこれらを使って延命して、「でも治らなかった」ということで意味がない、と書いているのでしょう。

標準医療でも治らなかったっていうのに、代替療法のみ「意味がない」って、一体なにを書いてるんだか。

しかも記事公開時は「薬事法」と書かれていたものがいつの間にか「薬機法」に訂正されています。

それはともかく

「がんの治療に関しては近代医学薬学が1世紀以上の努力を続けている。本当に効果があるものが存在するなら、それは治療法を鵜の目鷹の目で探索している医師、研究者、製薬会社などが取り上げてとっくの昔に製品化しているはずだ。そうならずに、健康食品やサプリメントとして流通しているということは――効果がない、または極めて薄いということに他ならない。」

今回はこのウソについて述べます。


ユースタス・マリンズ 著 内海聡 監修「医療殺戮」からの引用を用いて説明します。



まずは枇杷の葉や枇杷の種、梅干の種の核などに含まれる「アミグダリン」について。

 「米国ガン協会は、今日に至るまである「妖怪」につきまとわれてきた。それは「レアトリル」laetrileという物質である(アンズの核から取れるビタミンB17を含む物質で、アミグダリンともいう)。

 スローン・ケタリング・ガンセンターの所長を永年つとめたルイス・トーマス博士は、1975年4月2日にガン協会で開かれた科学記者のためのセミナーでこう述べた。

『レアトリルはガンと戦うためには全くなんの価値もない』

 この発言とは正反対の結果が、当のスローン・ケタリングの研究員によって示されていたのであるが、その成果はセンターによって揉み消されていた。

 トーマス博士は同じ年にさらにこう述べた。

『二年間の試験の結果、レアトリルはガンに対して無効であることが明らかになった』

 スローン・ケタリング・ガンセンター所長のロバート・グッド博士も1974年1月に「現時点ではレアトリルがガンに効果があるという証拠はない」と述べた。しかし当のセンターの科学者が行った研究では、これとは正反対の結果が出ていたのである。

 二人の研究員、ロイド・ショーン博士とエリザベス・スロケット博士は、スローン・ケタリング・ガンセンターでそれぞれ独自に研究をしていたが、レアトリルにパイナップル酵素を混ぜて投与した結果、実験動物34匹のうち50%に全体的な腫瘍の縮小が認められた。

 レアトリルの恩恵を受けたもっとも有名な人物は、俳優のスティーブ・マックイーンである。彼はガンの末期で、かかりつけの医者が諦めたためにレアトリルを試した。そして徐々に回復していったのであるが、医者から説得されて腫瘍の摘出手術を受け、塞栓症(欠陥が異物で詰まる病気)のために手術台の上で亡くなった。既成医療産業は『これでレアトリルはガンにこうかのないことが証明された』と宣伝したのである。

 ガンセンターのハロルド・マナーも、レアトリルと酵素およびビタミンAを組み合わせれば、同じようにマウスの腫瘍を縮小させる効果があることを発見した。

 ハリマン研究所で早くからガンを研究し、1971年からスローン・ケタリングにつとめた杉浦兼松博士も、動物実験により、レアトリルがガンに効果があることを証明する注目すべき研究成果を発表した。1973年6月13日、九ヵ月におよぶレアトリルを使った実験の後で杉浦博士は、こう述べた。

『実験の結果、アミグダリンはマウスの転移性肺腫瘍の発現を著しく抑制することが明らかになった。』

 この結果は1974年1月10日にスローン・ケタリング・ガンセンターから公表されたが、所長のロバート・グッド博士は『まだ結論を出すには早すぎる』として、この結果を否定した。」

これらが事実かどうかは、アメリカ公文書館で調べると分かるそうです。

他にも

「 医師のセシル・ピタード博士は、自身が末期ガンで二、三週間の余命しかない、と宣告を受けた。…もはや治る見込みはないと覚悟を決めたピタード医師は、実験的に抗インフルエンザ細菌型抗原とブドウ球菌分離物staphage lysate、そしてミルクやバターに含まれる脂肪酸の一つ、酪酸ナトリウムを自分のからだに投与した。すると、ガンはすぐに完治してしまったのである。

 しかしガン協会の権威者たちは博士の報告を無視し、以前にも増して『科学的に証明されない治療法』に反対する宣伝活動を、今まで以上に大々的に行うようになった。

 ピタード博士と同じようにガンが治癒した症例を聞くと、ガンで利益を貪る連中はきまって次のように鼻であしらってきた。すなわちガンという診断が誤診で、もともとガンではなかったか、あるいはガンが『自然に治癒』したのである、と。

 彼らは半世紀にもわたってこの『自然治癒』について言及してきたのだから、どのようにすればその『自然治癒』を手に入れることができるか、多少の興味をもってもよさそうなものだ。しかし、年間7000万ドルの研究費を使うスローン・ケタリング・ガン研究所の研究計画の中に、『自然治癒』に関する研究を取り上げた例は、ひとつも聞いていない。」

「 デトロイト医科大学およびミシガン州立大学で生理学教授をつとめたウィリアム・E・コッチ博士は、グリオキシライドの開発によってガンの『遊離基生理学』治療の可能性を予見した。グリオキシライドは、からだが毒素を酸化するのを促進する作用がある。

 博士の治療法が『科学的に』反論されたことはなかった。しかし1915年に酸化作用の研究を始め、1918年からこの治療法を行なっていたコッチ博士は、医療独占体制によって16年間にわたる弾圧を受けた。そして最後には国外へ追放され、1967年にブラジルで亡くなった。」

「 もう一人の自立した医師、マックス・ゲルソン博士(カリフォルニア州ゲルソン病院院長)は、生の果物と野菜、塩を使わない菜食主義の食事で偏頭痛と皮膚結核が直ることに気づいた。彼はさらに研究を続け、体内を解毒することでガンが治せることを発見した。

 1958年、ゲルソン博士は自分の発見を『ガン療法Cancer Therapy』[邦訳『ガン食事療法全書』徳間書店刊]という本に著し、低脂肪・無塩・最低限タンパク質の摂取を強調した。

1964年、博士は米国上院の小委員会に呼ばれ、自分の治療成果について証言した。けれども、上院はこの報告書のコピーをどこにも配布せず、またどの医学雑誌もこれを取り上げなかった。そして、ガンの治療法を『研究している』と主張する米国ガン協会やその他の慈善団体も、ゲルソン博士の治療法が有効かどうかを調べるために、1セントの研究費も提供しなかった。」

…まだまだあります。

効果がある治療法を見つけても、それが無視され、標準医療にならない不思議。

長くなりますので続きは次回に。

2017年5月22日 (月)

病院の骸骨

今から半年ほど前の2016年のハロウィン、私は幽霊のコスプレをしました。

その理由は二つありまして。いろんな着物でさんざん着回した真っ白い長襦袢があったので、それをクリーニングに出す前にちょっと遊んでみようと思ったのが一つ。

もう一つの理由は、10月にヘルニアで三週間弱の入院をしたのですが、退院時には病的に痩せてしまい肌や髪のツヤもなくなり、鏡を見ても「我ながら幽霊みたいだな」としか思えない外見になってしまったから。もうこれは「酷い外見になった」とウツウツと落ち込むより、ネタとして遊んでしまった方がいいとキッパリ自覚できる、そのぐらい極端に痩せてしまったからでした。

ふくらはぎや太腿など、たぷんたぷんにたるんで、退院後はジーンズなどのボトムス全てゆるくなりました。



あの小林麻央さんも、ご自身のブログに書かれてたそうですが、



がん患者は、殆どの場合、痩せます。



太りたいと思っても、痩せます。



標準治療である三大療法のうち抗がん剤や放射線は副作用で食欲不振になったり吐き気がしたりしますし、胃や腸、肝臓などの手術後はなかなか栄養が摂取できないのも事実。食事療法では食べられないもの多いですし、がんにいい食べ物はローカロリーなものばかりですし。

仮に何の治療もしてないとしても、食べ過ぎると悪化して腫瘍が大きくなり、いろいろ害が出てきたりして結局治療せざるを得なくなり、そして食べられなくなり、結果、痩せていきます。

これはもう、「痩せた~い、でも食べた~い♡」とかいうふざけた人には、悪性腫瘍植え付けてやって「がんダイエット」させてやったらどうかと思うぐらい。それぐらい痩せます。

私は15年ほど前からいわゆる「ダイエット(健康的に痩せる、という日本語での意味)」にこだわってフィットネスクラブに通っていたのですが、そんなことしなくても良かった、との反省材料にもなっております。何しろ日本人の半分はがんになります。半分の人はそのうち痩せてしまう運命にあるのです。ならばせっかくだからその前に「太れる幸せ」を十分に味わって頂きたいと、最近切にそう思います。

しかし

私は去年10月にヘルニアで入院するまでは、抗がん剤で落ちた体重を少しずつ回復させていっていたのですよ。

にもかかわらず、何故、三週間でまた激痩せしたのか?

調べてみて初めて分かりました。

今回のタイトル「病院の骸骨」について説明しましょう。

1974年に発表された「The skeleton in the hospital closet」というタイトルの論文があります。栄養不足で痩せ細った入院患者が病院内に半数近くいる、と指摘したものです。このタイトルを和訳したのが「病院の骸骨」です。

タイトルに「closet」という単語がついているのは、英語での慣用句「skeleton in the closet」(知られたくない秘密、内輪の恥)とかけているようです。「病院での栄養管理が出来ていないという『恥』の証としての、栄養不良の患者」という意味でしょう。ちなみにこの慣用句、意味を調べて由来を知って驚きました。興味のある方は調べてみてください。

こう書くと「え、病院の点滴とか病院食とか、ちゃんと栄養管理されてるんでしょ?なんでこんなことが起きるの?」と思われる方が多いでしょう。

そこが「恥」なんです。

知ってるようで知らない、出来ているようで出来ていない。

「食事」というのは誰でも毎日食べているものなので、なんとなく知っているような錯覚に陥ってしまい、今まで疎かにされていた。それが「病院の骸骨」がゾンビのごとく大量発生する理由なのだそうです。

この本に書かれておりました。

「がんでは死なないがん患者」

この著者は研修医時代、肝臓がんの患者さんを死なせてしまった反省から代謝や栄養について学び直し、がんで死ぬ患者は全体の二割にも満たず他は栄養不良などが原因の感染症などで亡くなっていることを突き止めました。そしてアメリカに研修にも行き、帰国後は緩和ケア病棟で「病院の骸骨」を減らしたり、褥瘡(じょくそう、床ずれのこと)を減らしたりなどの成果を上げてたようです。

まぁ、私が先に書いたような「治療の副作用による食欲不振、体重減少」を軽視している所は気になるんですが…栄養学的な内容については納得できる部分が多いのでご紹介いたします。

まず、この著者はがんというのは「代謝異常」の病気であると定義しています。

まず、糖について。悪性腫瘍細胞は有酸素下でもミトコンドリアの酸化的リン酸化よりも、解糖系でATPを産生する。ブドウ糖(グルコース)は、解糖系で代謝されピルビン酸を経た後にミトコンドリアに入ることなく、最終代謝産物として乳酸に変換される。糖の代謝が好気性ではなく嫌気性解糖になってしまう、というワールブルグの発見については前回も書きました。

そしてたんぱく質。がん細胞は炎症性サイトカインやたんぱく質分解誘導因子(PIF)と呼ばれる物質を放出し、筋肉を分解してがん細胞の元とします。なのでリハビリをするのにもたんぱく質を補給してやらないと、ただただ筋肉量が減少していってしまいます。

脂質については、サイトカインや脂質動員因子(LMF)などの働きにより脂肪細胞から血中に脂肪が溶け出すのですが、今度はサイトカインなどの働きで血中脂質の代謝は抑制されてしまいます。この結果、高度に進行したがん患者は高脂血症になります。なので脂質をエネルギーとしてうまく利用することが出来ない上に、皮下脂肪は減って、冷えやすい身体になります。

これらの代謝異常が、激痩せの原因です。

この「激痩せ」、医学用語では「サルコペニア」と言うそうです。しかし加齢によるものと疾病によるもの、また筋肉量の減少か或いは筋力の低下か、などで意見が分かれたり違う用語を使うケースもあるそうで、このあたりまだ研究段階なのかもしれません。

しかし、痩せすぎるのが良くないからといって、食べすぎたら今度は悪化するのでは?という懸念もありますよね。

ところがこの著者によれば「がんは、栄養を入れようが入れまいが、大きくなる時は大きくなる」。

確かにそうでした。食べ過ぎて悪化することもありますが、食べなくても悪化するときもあるし、食べて回復するときも食べなくても回復するときもあります。

但し、急に大量の栄養を与えると「リフィーディング・シンドローム(再栄養症候群)」という合併症を引き起こすことがあるそうで、要は程度問題なのでしょう。

少しずつ、徐々に栄養を与えていけば悪液質(カヘキシア)に陥らずに回復することが多々あるのだとか。

例えば、この本の序章には、ガリガリに痩せてもうあと余命一ヶ月とされた咽頭がんの患者さんが、栄養の改善で点滴のみの寝たきりから退院できるまでになり、5年間生き延びた、という事例が紹介されています。ちなみにこの方は「これといった治療もしていないのに腫瘍も小さくなった」そうです。

むしろがんの場合、食べないでいると本当に痩せて体力が落ち、気力まで落ちてしまい、悪化していくことの方が多いそうです。

なので、要は「何をどのように食べるか」と、後はこの本にはあまり書かれていない、リハビリなどの「食事以外の生活習慣」が重要なのでしょうね。


では、がん患者に必要な栄養分とは何なのでしょう?


まずは筋肉の分解を防ぐためのBCAA。

好気性解糖を活性化するためのビタミンB1。

乳酸からピルビン酸への代謝を促進するクエン酸(BCAAも)。

血中脂肪酸をミトコンドリアに代謝させるためのコエンザイムQ10とL-カルニチン。

肝機能活性化のためのアルギニン。

腸のエネルギー源であるグルタミン、食物繊維。

炎症性サイトカインの抑制、そしてコラーゲンの合成などにω3系脂肪酸。

活性酸素対策、副作用対策その他に、抗酸化作用のあるビタミンA、C、E。

そして亜鉛などのミネラル。

糖質としてはすぐに血糖値を上げ、インスリン分泌後は低血糖になる砂糖やブドウ糖、異性化糖などではなく、オリゴ糖またはでんぷん質。


この著者は、これらをサプリメントの形で患者に与え、効果を上げています。

こういうサプリは健康保険で認めてくれてもいいのにな、と思ったりしますが…まぁそれが日本の医学ですから仕方ないでしょう。


でも私としては、抗がん剤の点滴以降、やっぱりサプリ等の「薬品」には頼りたくないのが実情です。


果たして何を食べるべきか?


まず、分かりやすいのはビタミンB1。これが欠乏すると「かっけ」という病気になるということは、このブログの読者でしたらご存知かと思います。「かっけ」は白米ばかりを食べているとかかってしまう病気。そばや雑穀、玄米などを食べれば改善するのは江戸時代にも経験的に知られていました。


そう、玄米です。


玄米って意外とスグレモノなんですよ。

ビタミンB1もそうですが、糖質部分はGI値が低くて、血糖値が上がりにくい。

そして食物繊維が豊富。たんぱく質も多く、当然BCAA、アルギニン、グルタミンも含まれています。カルニチンの元となる物質も含まれますし、ミネラルも多目、γオリザノールという自律神経を整える物質まで。ただの糖質ではないのですよ。

そして玄米ときたらお味噌汁と、イワシの干物、青菜のお総菜だとかのイメージですよね?

お味噌汁には大豆のビタミンE、BCAAなどのアミノ酸類が含まれます。具によってはビタミン類、ミネラル類その他も摂取可能。

そして魚は良質のたんぱく源。ω3系脂肪酸も含まれます。コエンザイムQ10は青魚やブロッコリなどに多く含まれるそうでこれもクリア。

そして玄米の上には梅干(クエン酸)をのせて、さらにごま塩(脂肪酸、ミネラル類がたっぷり)をかければ、玄米のデメリットである「ミネラルを輩出しやすい」という点もカバーできます。

後は多過ぎず少な過ぎず、と、量にさえ気を付ければOK。


圧倒的ではないか、わが玄米食は…w


ちなみに。コエンザイムQ10やカルニチン、ビタミンB1は肉類からでも摂取できます。

しかし私があまり食べないようにしている理由は「他に余計なものが沢山入っているから」です。

例えば、成長ホルモン。肥育ホルモンとして与えられなくても、本来動物の中に備わっているホルモンが含まれています。また、肉の加工品には廃乳牛(乳が出なくなった乳牛)の肉が含まれていることがありますが、この肉には女性ホルモンが含まれています。女性ホルモンは牛でも人でも同じ構造です。もしかしたらサイトカインその他も、人間と共通のものがあるかもしれません。だからあまり食べたくないのです。健康な人なら、適量ならば食べてもいいのでしょうけど。


がんによるサルコペニアについて、もうちょっと医学的に突っ込んだ内容が知りたい方は、ここに似たようなことが書かれています。

■がん悪液質■~「炎症」に着目したケア~

PDFですが、専門家の方には分かりやすいと思いますのでご参考までに。


しかし…。

この本には、「病院の骸骨」化を避けるためには「絶食期間をできる限り短くすることが重要です。」と書かれています。そして「私は基本的に、手術前4時間と、手術後12時間の計16時間以上は絶食させないようにしています。」だそうで…。

え?

あのー。

私の場合、ヘルニア手術だったので、腸を切りました。ですがそういう場合でも、この著者は「唾液をはじめとする消化液は出ていて、消化管を通過しているわけですから」問題ないとしています。

それなのに。私が初めて口にしたのは「ペプチーノ」というパック入りのジュースみたいな飲み物。

これが出たのが術後4日目でした。

さらに、「食事」といえる内容のものが出てきたのが術後10日以上経ってから。


その間、ずっと点滴でした。


これでは、サルコペニアになって当然なんですなぁ…。ホント、あの病院の「恥」ですよ。

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Sage's Link List

  • がん対策推進基本計画
    厚生労働省が平成24年に発表したもの。これによると、治療せずに様子を見る「経過観察」はしちゃダメ!なのかな?なんで?w
  • 国立がん研究センター
    食事療法については何も載っていません。アルコール摂取を控えましょう、肥満に注意しましょう、ぐらい。

Sage's Music List

  • サラ・ブライトマン: 神々のシンフォニー
    日本盤のみボーナストラック追加。
  • 3/8にリマスター発売。
    Pink Floyd: 狂気
    まさに「狂気の沙汰」ですね。
  • Walk This Way
    RUN D.M.C.:
    エアロスミスとのコラボ。
  • Somewhere I Belong
    LINKIN PARK: METEORA
    あるプログラムでの使用曲。
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