最近のトラックバック

最近のコメント

Sage's List

2018年12月 7日 (金)

メディア上の「罠」とは何か

こんな記事が出ました。

家族が、自分が、がんになったとき。ネットに危険な「罠」が待つ

笑えますね。

紙の新聞や雑誌に書くなら分かりますけど、これ載せてるBuzzFeed Japanはネットのみのメディアですから。

内容はお決まりの「免疫療法」批判。

本庶佑先生がノーベル医学・生理学賞受賞されてから「免疫療法」って言葉があちこちで使われるようになりました。

そして、そういう現象について「好ましくない」「従来からの免疫療法と免疫チェックポイント阻害剤を使った治療を一緒にするな」との批判も出ました。

しかし


メディア側が鍵カッコつけただけの「免疫療法」ってしか書かないんでは、そりゃ一般の患者さんだって一緒にするでしょ、ってなもんですw

ってか、このライターの朽木さん、免疫療法にはどんな種類があるのか、それぞれどう違うのか、価格はどうなのか、がん種ごとの有効率は、エビデンスはあるのかないのか、って全部調べて書いてるんでしょうか。

調べておいてこの書き方ではジャーナリストとしてどうかと思いますし、調べてないならなおさらどうかと思いますが。

ちなみに私、免疫療法擁護的なことを書くことが多いのですが、免疫療法を受けてはいません。

何故なら、免疫療法どれも、有効率それほど高くないので。しかも乳がんは他のがんと比較してさらに低いので。

しかし私は、これらの療法、特に否定はしません。

だって、資料請求すればしっかり情報提供してくれるから。

そして、有効率高くない代わりに酷い副作用もない。そして確率低くても、もし効果あった場合は、その効果はかなり絶大ですし。高須クリニックの院長のようなお金持ちなら、否定する理由はないでしょう(実際、試されてます)。オプジーボだって相当高いんだし。


対して

私がシクロフォスファミドの点滴受けた時は、病院側からは、どんな副作用が出ますとかこういう時はこういう薬飲んでくださいとかこんな医療用ウィッグがありますとかの情報提供はありましたが、

その中に有効率とか、それが書かれた添付文書などはありませんでした。



ネットでは検索すれば添付文書は出てきます。但し、最近の抗がん剤の添付文書からは、有効率の記載は省略されています。何故でしょうねぇ。低すぎるから?


ついでに私の経験を書きますと。

このブログ読んでる方はご存じでしょうが、シクロフォスファミドで酷い副作用を受けた後、それがかなり毒性の強い薬で、副作用で死亡することもあるような危険なものであると知ったのは、ネット上の情報が最初でした。

そののち、ネットでいろいろ調べまして、抗がん剤では治らないことも判明(まともな医師なら賛同してくれるでしょう)。なので西洋医学には頼らず食事療法を試してみることにしました。

他にも、がんにいい、と言われることはとりあえずやってみました。しかし副作用からの回復はみられるものの、がんそのものには効いていない。

運動もその一つ。がん発覚前から運動はしてました。運動はがんの予防になるはずなのに何故乳がんになったのか不思議だったのですが、乳がんに関しては運動は関係ない、むしろ運動で悪化する遺伝体質もあると知ったのは、

ネット上を徹底的に調べてからです。

「がんと運動 」あたりの記事に書いてありますので、興味のある方は読んでみてください。


他にも、一時期、漢方薬を試したこともありました。補中益気湯と、十全大補湯。

これも、ネットではよく一般患者向けに「抗がん剤の副作用の軽減のため」に使われると書いてあります。

これを読んで、どう受け取るでしょうか?西洋医学系の人は言葉通りに受け取るかもしれませんが、私は漢方薬はよく使う方で。「本当は効果があるけど薬事法などのせいで効能が書けないのだろうな」と判断しておりました。

しかし、ここに落とし穴が。もともとあった出血が十全大補湯でひどくなりました。よくよく調べたらホルモン作用のある生薬もあるそうでアメリカでは乳がんにはハーブは使わないとかで…中国ではまた違った薬(天仙液など)があるそうですが、これも乳がんでの有効率はそれほど高くないとかで…。

結局、一時は離れていた西洋医学系の病院でお世話になることに。「モーズ軟膏」というものがあると教えられ、疑り深くなってた私はネットで調べ上げて、モーズ軟膏による治療を受けることに決定、一時期はかなり安定しました。

同時に別の生薬を試すも、こちらはあまり効果なし。どうやら乳がんに届く前に肝臓で分解されてしまう模様。カフェインは分解してくれないのに生薬の有効成分はあっさり分解してくれる私の肝臓。私に似てひねくれ者のようでw

モーズ軟膏受ける前、出血についても調べました。すると、自然派系のサイトでは「悪い血は全部出さないと治らない」等とありましたが、西洋医学の論文では出血性のショックで死亡する乳がん患者もいることを知りました。

いえ、「自然派」系、嫌いではないです。添加物や農薬などの危険性は自然派のサイトでないと載ってないので参考にしたりしてます。それらの「社会毒」をどうやって避けるべきかという具体的な方法は、そういった自然派のサイトや「ハーブでガンの完全治癒」などの書物が役に立ちます。

添加物や農薬などが何故がんを引き起こしてるのかは、解明されつつあります。そのうちブログネタにしようと思ってはいるのですが、なにしろ難しくて。特に乳がんや前立腺がんなどはホルモンが強く影響するので、消化器系のがんとは性質が違うようですし。

また、発がん性のある「放射線」を使った治療は当初は毛嫌いしておりましたが、最近は機械の性能も上がって海外では手術に代わる治療法として使われているようで、これも調べて調べて納得の上で受けました。やけどのような跡はまだありますが、腫瘍マーカーはかなり下がりました。おかげさまでQOLも上がってきています。


というわけで、ネット上の情報は玉石混交、どれを選択するかは個人のリテラシーにかかっています。

「悪い血出さないと乳がんは治らない」「ヨガは乳がんに効果ある」などの明かなニセ情報は出す側に問題があるのですが、何しろ「言論の自由」ってものがありますから。規制は困難でしょう。

それを朽木さんは「罠」と表現しているのかもしれません。

しかし、それを言ったらBuzzFeed Japanだって相当なもんですよ。

HPVワクチン推進記事をやたらと書いてます。ウソばっかりなんでリンクは貼りません。

ヨミドクターとかいう医療系のコラムで、時系列が間違ってるというとんでもない記事を出してさんざん批判されたにも関わらずBuzzFeed Japanに転職、さらにHPVワクチン推進記事をいくつも書いてる人がいますから。

こういうBuzzFeed Japanの記事を読んだ女性が、「子宮頸がんはワクチンで予防できる!受けなきゃ!」とワクチン受けて、もし、副反応被害が出たら?

WHOには全世界からの被害の訴えが届いているそうです。

にも拘らず、ネット上ではHPVワクチン副反応被害を訴えている方々は、匿名の(自称)医療関係者からバッシングを受けています。曰く「反ワクチン」だとか。ワクチンの効果を信じて打った方々なのに。

しかも、HPVワクチン受けたのにも関わらず、子宮頸がんになってる方がいっぱいいます。高橋メアリージュンさんもその一人。

この方は幸い寛解されてお仕事も再開されているようですが、ワクチン副反応被害を受けた上に子宮頸がんになって仕事どころではない方もいらっしゃるようです。

この副反応被害も、脳神経内科の先生方が副反応被害の解明に尽力されてます。そのうち関連が明らかになるかもしれません。


HPVワクチンは子宮頸がん予防には無力です。海外では、接種層に子宮頸がん罹患者が増えているのだそうです。

しかし、HPVワクチン以外の「がん予防のための方法」は、ネットでもテレビでも新聞でも、大手メディアは殆ど扱いません。

何しろ、食品添加物も農薬も洗剤も化粧品も、放射線も電磁波も、さらには医薬品にも発がん性があったりしますので、スポンサーが売ってるそれらのものを避けましょう、なんて記事は出せるわけがない。



だから、「予防」ではなく「早期発見早期治療」を勧めるのです。

こんな状況ですから

ネット上、いやメディア上の「罠」はむしろ、「がんになる前」からあるのです。しっかり認識しておきましょう。

2018年11月 6日 (火)

がんとハーブと寄生虫

先日、某所でとある本を読んでいたところ、ハルダ・R・クラークなる人物が「がんの原因は寄生虫だ」と述べている、との記述を発見しました。

気になったので少し調べてみました。

そして見つけたのがこの本です。

ハーブでガンの完全治癒

ネットには70万部売り上げたベストセラーなどと書いてあるサイトもありましたが、既に絶版になっているらしく、図書館から借りてきました。

この本によると、ファシオロプシス・ブスキー(Fasciolopsis buski)という腸内吸虫が、イソプロピルアルコールなどの化学物質の影響により腸内から肝臓に移動した結果、がんが発生する、とのこと。

なので黒クルミの殻のチンキ・ニガヨモギ・クローブ、この3つのハーブで寄生虫を駆除することで完全治癒する、と。

そしてファシオロプシス・ブスキーは化学物質によりあちこち動き、他の器官に移動するとまた別の病気になるのだそうです。

え?

あまりに突拍子もない内容なので最初は驚きました。

しかし、

ヨモギには抗腫瘍活性のある化合物が含まれていることは知っていましたし、寄生虫ががんの原因となっているケースもあることも知ってはいましたので、半信半疑で読んでみました。

が…。

この本、間違いが多すぎます。

まず、著者ががんの原因とする寄生虫、ファシオロプシス・ブスキー。

医科学事典で調べましたところ、日本語では「肥大吸虫」。1843年にイギリスのBuskがインド人水夫の腸内から発見した吸虫です。水生植物に付着したメタセルカリアを経口摂取することにより感染します。

分布は中国、台湾、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、インドなど東洋に限られています。水生植物(ヒシの実など)や豚から感染します。アメリカやカナダのがん患者から検出される可能性は、かなり低いのではないでしょうか。

しかも、大きさは20~75mm×8~15mm。この大きさで、腸内から肝臓や他の器官への移動は難しいと思います。



でも、他の寄生虫を調べてみて分かったのですが。

ハルダ・R・クラーク先生…もしかしたら、寄生虫全てを混同されてないでしょうか?

例えば、肥大吸虫と同じ科に肝蛭(かんてつ Fasciola hepatica)という吸虫がいます。肝蛭は牛や羊などに寄生する吸虫で、肝臓に寄生します。これは欧米諸国で多く確認されています。

肝吸虫はタニシや川魚の生食などで感染し、胆管がんを発症するケースもあります。ハムスターを使った実験では、タイ肝吸虫とジメチルニトロソアミン(発がん剤)の投与で100%胆管がんを発症するとの報告があります。

肺吸虫はサワガニやイノシシ肉などから感染し、その症状は肺がんに類似し、皮下など他組織へ迷入することもあり、脳に迷入すると重篤な神経症状が出るのだそうです。

住血吸虫の中には膀胱周辺に寄生するものもあり、膀胱がんの確率が30倍になる他、女性だと子宮頚部や卵管などに病変を生じることもあるそうです。

日本住血吸虫は脳血管内に虫卵が塞栓すると脳腫瘍類似の症状となり、大腸がんと肝細胞がんの発生が高まるとも言われていました(否定的見解も出ているようです)。

また近年、ダニ媒介寄生虫であるタイレリアやボレリアがリンパ球をリンパ腫に変換させたり、クリプトスポリジウム原虫と大腸がんの関連が指摘されたりしています。

(同じリンクが貼ってある箇所がありますが、リンク先が長文なので、書いてある箇所が違うだけです。間違いではないのでよく読んでくださいね。)

残念ながら、乳がんと寄生虫の関連を示す文献は見つかりませんでした。しかしこうして調べてみると、肥大吸虫は間違いであっても「寄生虫ががんの原因である」という説はあながち間違いでもなさそうです。



では、この本に書いてある寄生虫駆除プログラムは、有効なのでしょうか?

黒クルミの殻、ニガヨモギ、クローブを使った駆虫方法。



これらのワードで検索しただけでは、残念ながら有効な情報は得られませんでした。

何故なら、これらのサイトは皆「ハーブでガンの完全治癒」そのままの内容ぐらいしか書いてないケースが殆どだからです。



なので、他の単語で調べてみました。

すると、面白いことが分かりました。



これらの3つのハーブは、漢方薬にも似たものが存在しました。

まだ青いうちの黒クルミの殻は「胡桃青皮(ことうせいひ?ことうじょうひ?)」、ヨモギは種類により「艾葉(がいよう Artemisia princeps Pamp ? Artemisia vulgaris ? )」「青蒿(せいこう Artemisia annua ? オトコヨモギ、カワラニンジン、クソニンジン)」「苦艾(くがいArtemisia absinthium ニガヨモギ)」があり、クローブは「丁香(ちょうこう)」と呼ばれています。ヨモギの学名は分類学者によって異なるそうで、はっきりしません。



中医学では胡桃青皮は殺菌、解毒、殺虫などの効果があると言われています。また、クルミの成分の一つであるJuglone(ユグロンまたはジュグロン)にはアレロパシー活性(他の生物の成長を阻害する作用)があり、体内での寄生虫や真菌の増殖を抑制するそうです。最近ではPin1阻害剤として使用することで抗がん活性が認められています。Pin1とはプロリン異性化酵素、Pin1が高発現しているがん患者は予後が悪く、特にアンドロゲン非依存性の前立腺がんへの効果が期待されるようです。



ヨモギは昔から万能薬として使われていました。艾葉は止血、鎮痛などの効果があり、青蒿はマラリアに効果があるそうです。

マラリアは細菌やウイルスによる感染ではなく「マラリア原虫」に感染することで発症します。これも寄生虫の一種で、蚊が媒介します。

青蒿の成分の一つであるArtemisinin(アルテミシニン)から抗マラリア薬を開発したのは中国中医研究院中薬研究所の屠呦呦という女性研究者のグループです。

ベトナム戦争の際にベトナムからマラリア薬の開発を依頼された中国が国家プロジェクトとして抗マラリア薬の開発を開始、古来から抗マラリア薬として使われていた植物など多数試して、ようやくヨモギの抽出液からアルテミシニンを発見、単離抽出。しかしその安定化などに苦労したようです。現在はその誘導体が抗マラリア薬として利用されており、その功績により屠呦呦は2015年のノーベル医学・生理学賞を受賞しています。



近年、アルテミシニンは抗腫瘍活性があるとの報告が相次いでいます。乳がんにも効果があるようです。マラリア原虫との関連は分かりませんが、実用化を期待します。

ニガヨモギからはサントニンという回虫駆除薬も作られました。1830年代にサントニンを単離精製したのはドイツの研究者メルク。そう、あのMSDのメルクです。今はもうサントニンは使われていないようですが。



丁香(クローブ)にはEugenol(オイゲノール)という成分が含まれています。オイゲノールは動物用鎮痛剤として広く使われていますが、防虫効果やヤギの寄生虫の殺卵効果があるとの報告があります。肺がん乳がんに対する抗がん活性も報告されています。しかし毒性もあるようなので多用は禁物ですが。
さて…

こうして調べてみると、「黒クルミの殻」「ニガヨモギ」「クローブ」を「寄生虫駆除」または「がんの治療」に使うというのもそれほど的外れな話ではないように思いました。

もちろん、有効成分が含まれるとはいっても精製はしていないわけですから効果は弱いでしょう。ステージが進んでしまうと難しいかもしれません。

しかし初期のがんなら、治る可能性もあるのでは?特に消化器系のがんは経口摂取の成分が効きやすいので、ダメもとで試してみるぐらいの価値はあるかもしれません。

ちなみにこれらのハーブ、ネットで購入可能です。



ハルダ・R・クラーク博士、「ファシオロプシス・ブスキー」なんて珍しい寄生虫持ち出してきたのは、もしかしたら「言葉遊び」だったのではないでしょうか?

ファシオロプシス・ブスキーの英語名は「giant intestinal fluke」。吸虫を意味する「fluke」は、ビリヤードで偶然ポケットに球が入ったことを意味する「fluke(日本では『フロック』)」と同音異義語で、「まぐれ」と訳されたりします。

虫下しに効く民間薬が偶然、がんにも効くものだった。そんな意味を込めて、違うと知っていてあえてファシオロプシス・ブスキーを出してきた。そんな気がします。

2018年10月24日 (水)

販売中止となった抗がん剤

日本人研究者ノーベル医学・生理学賞受賞からのオプジーボフィーバー、ようやく一段落してきたようですね。

なんでも、オプジーボは肝臓がんの抗がん剤として期待されているとか。

自己免疫性疾患という重篤な副作用の存在を考えると、喜んでばかりはいられないはずなんですけどねぇ。

ところで。

肝臓がんに効く抗がん剤として、「スマンクス」という薬品が存在していたことはご存知でしょうか?

私も知らなかったのですが、こちらの書籍に書いてありました。

がん治療革命「副作用のない抗がん剤」の誕生

2016年11月に初版発行された本なので、わりと最近です。私がヘルニア入院から退院して、リハビリに苦労してた頃ですね。

どんなことが書いてあるかといいますと。

従来型抗がん剤が効かない理由とか活性酸素の害とか、いろいろとあるんですが、

古いタイプの抗がん剤にポリマーをくっつけてがん細胞に届きやすくした抗がん剤、スマンクスについて、詳細に書かれています。

腫瘍に届くように設計された薬、DDS(Drug Delivery System)薬と呼ばれるものの一種です。

このスマンクスは適切に使用すれば副作用は殆どなく、固形タイプのがんに対する治療成績もよい。なのに、何故か販売中止になってしまったそうです。

この件について書いてある部分を抜粋いたします。

>スマンクスを合成したのは七九年ですが、承認がとれたのは九三年でした。

>スマンクスの臨床にトライしたのは合成に成功した翌八〇年です。当時は肝がんは見つかってから四カ月で亡くなるといわれていたのに、スマンクスを投与したグループの五〇%が生存していました。そして、九三年に承認を受け、市場に出たのが二〇〇四年。ところが、二〇一三年に販売中止になります。治療に使われたのはわずか九年間でした。だからといって効かなかったのではなく、製薬会社の利益にならなかったからです。まず、薬価(四mgで四万五千五百四円)が他の抗がん剤にくらべて安すぎたことがあげられます。そのうえ投与は一カ月~三カ月に一回でよかったのです。

>製薬会社にはN(人)×T(時間)という方程式があります。たとえば、高血圧や糖尿病は、がんにくらべて患者の数(N)が大きく、治療期間(T)も長いから、マーケットは巨大になります。ところがスマンクスは、他の抗がん剤とくらべて、NもTも小さいから儲からないのです。

>また、スマンクスは固形がんのほとんどに有効で、とくに腎臓がんには効果があったのに、肝臓がんだけで承認をとったことも市場を狭くしてしまいました。そのうえ非常に複雑な物質で、室温で保管すると分解して活性がなくなるので冷蔵冷凍しなければいけない、取り扱いが面倒なのです。そして最大の問題は、静脈注射ではなく、動脈からカテーテルを入れて薬を放出する方法だったことです。当時はそれが出来る医師が少なかったことも致命的でした。薬代よりも医師の技術料の方が高くなってしまうのです。

>スマンクスは素晴らしい抗がん剤ですが、知らないで使うと強い副作用に見舞われました。

>スマンクスは商品として四mgと六mgがありましたから、ほとんどの医師は添付文書に従ってこの量を使っていましたが、これでは多すぎたのです。相当大きな肝臓がんなら四mgとか六mgを使ってもいいのですが、肝硬変の人は免疫力が弱くなっていますから、六mgなんて使うと正常細胞までやられて肝膿瘍を作ったり肝不全になったりと大変なことになります。一mgか二mgで充分だったのです。当時の抗がん剤は百mgとか一gが普通ですから、いかに少ないかがわかると思います。

>スマンクスは四㎎で四万八千円ほどですから、一mgだと一万二千円です。一週間ほど入院して治療しますから、医師の技術料やベッド代を合わせて六十万円ほどかかりますが、そのうち薬代がたった一万二千円!それも一カ月から三カ月に一回ですから、製薬会社はまったく儲かりません。儲からないからコストをかけたくないのは当然です。

以上、上記書籍からの引用でした。

しかし…。

うまく使えば副作用が殆どなく薬代もかからない、治療頻度も低い、なんて優れた抗がん剤のように思えますが…。販売中止とは。

販売中止の詳細を調べようと思って、発売元のサイトを見てみましたが、検索してもヒットしませんでした。おかしいなぁ、添付文書はあるのに。ここにも載ってるのに。

ちなみに、製薬会社は儲からなかったようですが、この薬品のポリマー部分を製造したクラレはかなり儲かったようです。


こういう薬品が販売中止になる一方、95%の死亡率を誇り、海外では軒並み認可取消となった危険な薬品は今でも適応縮小して売られています。詳細はこちらの本に書いてあります。


さて。

厚生労働省は、患者と製薬会社、どちらを向いているか?

そして、患者を救いたいと考える医師と製薬会社、どちらを向いているか?

さらには、マスメディアはどこを向いている?


今回のような事例は山ほどあります。

ネタは沢山仕入れてあるのですが、まだ整理できておりません。


読書の秋とはいえ、こんな本ばかり読んでいると疲れてしまいます。なのでなかなか、ブログが更新できません。

放射線治療の待ち時間に積んどいた本読破したりしたのですが、最近また積んどく本が増えまして…。まったく、ソリティアコレクションには困ったものですw

2018年9月19日 (水)

西洋医学のがん治療は否定すべきか

放射線治療を終えて二週間が経過しました。

おかげさまで経過は良好です。


さて、最近、がん治療に対する考え方が少し変わりましたので、ここに書いておきますね。


もっと早く更新したかったのですが、遅くなったのには理由があります。

パソコンが壊れてしまったのです。


代替機を選んで購入、それを使いやすくカスタマイズするのにしばらくかかりました。


中古パソコンを幾つか試したのですが、その中で一つ、珍しいものがインストールされているのを見かけました。

「ATOK2017」です。

ATOK、ご存知でしょうか?30年ほど前、NECが出していた日本語MS-DOSパソコンのPC98シリーズ、

その上で動くワープロソフトといえば「一太郎」でした。

その「一太郎」で使われていた漢字かな変換、それが「ATOK」。ジャストシステムの製品です。

2017バージョンが出ているとは知りませんでした。ああ懐かしい。

その頃からパソコンをお使いの方はご存知だと思いますが、初期のMS-IMEの漢字かな変換機能というものは、使い物にならない位クs…ではなくゴm…いえあの、あまり「質が高いとは言えない」シロモノでございました。はい。学習機能もなかったので辞書登録しまくった記憶があります。

ですが、今はどうでしょう。かなり使いやすくなりました。

もはや、文句を言う人はあまり見かけません。

大量に売ることで標準化したこともあるのでしょうが、優秀な人材を集めて機能を向上させたというのも理由の一つでしょう。

わざわざオプションでATOKを入れる必要はなくなってしまいました。


このような現象は、実はがん治療についても、同じことが言えるのではないかと。


がんは予防が大切。そしてその予防には東洋医学や自然療法も重要な役割を果たす。それは分かります。

しかしいざ、腫瘍が大きくなってしまうと、東洋医学や自然療法では、なかなか治療できません。


モーズ軟膏を塗布した時にも感じたことですが、

「腫瘍が小さくなると体調は劇的に良くなる」

のです。


これは、手術でも放射線治療でも同じだと思います。

(ただし抗がん剤は違います。この件はまた別途)


一方、東洋医学では「腫瘍を一気に小さくする方法」がないのですよ。

毎日毎日、身体を温めたり、漢方薬飲んだりして、少しずつ小さくしていく。

しかしそれでは間に合わないのですよ。少しでも悪化させてしまったら、元の木阿弥ですし。高価な漢方薬が無駄になってしまったり。


そんな経験から、「腫瘍を小さくする」治療は、ある意味で「救急医療」のカテゴリに入るのではないか、と最近は考えるようになりました。

放射線治療を試しに受けてみたのも、そういう理由からです。


西洋医学の方は、日本では優秀な人達が集まっていろいろと研究を行っています。

その結果、副作用が少なく、治療効果の高い方法にはどのようなものがあるのか、分かってきているようです。


なので

三大療法を毛嫌いするばかりでも良くないのではないかと、最近は考えるようになりました。


そして「自然派」の方々の中には、西洋医学を嫌うあまりに、西洋医学の効果を過小評価し、それ以外の代替療法を過大評価する人が多くいることに気付いたり。

先日は、某施設のチラシに座談会形式の体験談が載っているのを発見しました。この「体験談」そのものも問題あるのでは?と疑問に思いましたが、酷かったのはその内容。

「ちょっとした手術はしたけど、それだけ。あとはここに通って治しました。三大療法しなくても治っちゃった!」

はぁ?

「三大療法」って、「手術、放射線治療、化学療法」ですけど…

「手術」しておいて「三大療法しないで」って???


どうも、西洋医学が進んでしまったので、それ以外の方々との差が開いているように感じます。

今度NHKで東洋医学について放送するようですが、

今の日本の東洋医学では、がんは治せないでしょう。西洋医学との組み合わせで、より患者に負担のない治療を模索することは可能だとは思いますが、それが進んでいるとも思えません。

何しろ、優秀な人は西洋医学にばかり行ってしまうので…。


今、中国では研究者募集しているそうです。

あーあ、若い頃もっとしっかり勉強してれば…。この年でも中国行って漢方の研究しようという気になったかもしれない。パソコンゲームで遊んでばかりいたからなぁ…。

仕方ない。今、自分でできることを何とか、やっていくしかない。


まずはこの論文を読破してそれが意味するところを調べないと…。

The Microbiota of Breast Tissue and Its Association with Breast Cancer

東洋医学的な療法はおそらく、この「細菌叢」を変化させるということなのだと思いますが、微生物についてはあまり詳しくないので分からないことだらけです。

この論文については続報を出す予定ですが、いつになるかはわかりません。ご了承ください。

2018年8月 8日 (水)

免疫細胞療法

最近また、いろいろ調べ始めました。

がんと運動の関係とか、がんと肥満の関係とか。そのうちアップしますね。


今回は、免疫細胞療法について。


SNSでは腫瘍内科医さん達は、免疫細胞療法を「詐欺だ!」と否定されてますね。

どうも、この「免疫細胞療法は効かない」ってのは誰が流行らせてるのか知りませんが、わりと良く聞くお話です。

茨城県が配ってるがん関連の冊子にも書いてありました。


しかーし!

少なくとも、肝臓がんの再発予防には、活性化リンパ球療法は効果があるようです。

根拠はこちら。

Adoptive immunotherapy to lower postsurgical recurrence rates of hepatocellular carcinoma: a randomised trial.

1992年から1995年にかけて行われた治験の報告。2000年のLancet誌に載っています。

肝臓がん手術後の患者150人を2つのグループに分け、一方のグループには偽薬、もう一方には活性化自己リンパ球療法を施した場合の、無再発生存率の変化を調査されたそうです。

その結果明らかに、活性化リンパ球療法を受けたグループの方が無再発生存率が高かったのだとか。


但し、私はこの論文はサマリー読んだのみです。会員になってないので、フルテキストにアクセスすることが出来ません。

フルテキスト読める方、治験の正当性や利益相反などについて、疑問点があるようでしたらご指摘願います。

2018年6月21日 (木)

乳がんヨガ

先日、こんなイベントがあるのを発見しました。

【募集開始】乳がんヨガ指導者養成講座 つくば市

ほぉ。以前、ヨガとは言えないヨガセラピーの講師を務めた方が、今度は「指導者養成」ですと。

なーにやってんだか。

と思ったら。

乳がんヨガ」、大々的に宣伝してやってるんですね。

しかも、サイトでは「術後の回復にリハビリとしてのヨガを推進しています」とありますが、指導者養成講座へのリンクの画像には「乳がん患者さんにヨガを教えてみませんか」とあり、対象が「乳がん経験者」なのか「乳がん患者」なのかハッキリしません。

一応、サイトでの文章読む限りは対象は「乳がん経験者」のようです。おそらく医療広告ガイドライン対策でしょう。

どうやらこの「メディカルヨガ」。こちらの本を教科書にしているようです。

メディカルヨガ-ヨガの処方箋

中古品を買って読んでみました。amazonよりヤフオクが安かったのでブックオフヤフオク店からの購入です。

この本自体は、真面目な本です。ヨガの基本も書かれているし、各症例に応じた内容は医学的根拠を伴って書いてあります。食事のアドバイスもありますし、安全にも配慮しています。

しかし「乳がん」の章はありません。

あるのは「がん」の章。第12章です。

その章の最初のページ(p200)に、ある乳がん患者さんが「慢性病患者にヨガを教える正看護婦(原文ママ)」からヨガセラピーを受けることになるまでの経緯が記載されています。

手術後の、化学療法中に受け始めたのだそうです。

次のページには「ヨガができること」という項目があり、こう書かれています。

以下引用

-----

ヨガを通じ、がん患者は化学療法などの治療の期間やその後のストレスを和らげ、副作用を乗り切ることができるでしょう。がん治療を受けている人は通常、力強い動きのヨガは行いませんが、ヨガのポーズはそれぞれの身体の状態に合わせて調整できます。心身回復の姿勢と簡単な呼吸法(プラーナヤーマ)は活力を与え、なおかつ、リラックス効果があり、また身体に負担をかけることはほとんどありません。瞑想やイメージ・トレーニングには、深いリラックス効果があり、不安を和らげることができます。

-----

この後、瞑想、呼吸法などのについての記述が続きます。

注目すべきはここです。

>ヨガを通じ、がん患者は化学療法などの治療の期間やその後のストレスを和らげ、

化学療法を受けていることが前提のようです。

何故か?

以前書きましたね。乳がん患者が運動するとどうなるか。

実際、p202には「痛みがひどくなったとの否定的なコメントをした人がいました。」との記述があります。

科学的根拠としては、よくある「QOLの向上」と、p203で「悪性黒色腫患者の疲労感、抑うつ感、精神的混乱を大きく和らげ、がんと闘うナチュラルキラー細胞の働きを活発にすることがわかりました。」
とあるのみです。

6年後の追跡調査で、悪性黒色腫患者のうち認知行動療法(ヨガとは書かれていない)を受けた34人のうち死亡者は3名、比較対照群、つまり認知行動療法を受けなかった34人のうち死亡者は10名。
悪性黒色腫とは皮膚がんの一種で、メラノーマと呼ばれるものです。オプジーボが適用されることでご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

ほくろのような黒いシミが特徴。紫外線曝露と機械的刺激が影響しているのではないかと考えられているようです。

NK細胞が増えたとはいえ、6年後の死亡率が1割弱。行わなかった場合と比べて確かに減ってはいます。

おそらく、紫外線曝露が多かった方がそれを減らし、認知行動療法を行うことで免疫が改善した、ということはあるのかもしれません。

ですが、機械的刺激でメラノーマ発症された方が、認知行動療法による機械的刺激で悪化された可能性はないのでしょうか?

さらには、確か、NK細胞はただ増やしただけでは効果なかったのではありませんでしたか?

呼吸法や「マインドフルネス瞑想法」による効果はあるでしょう。もしかしたら免疫チェックポイントを改善する方向にはたらくこともあるかも知れません。それならそれで、アサナを行う前にしっかり呼吸法や瞑想法を行っておくべきです。



何故なら、p212を見てください。



「スーダ・キャロリン・ランディーンはクリパル・ヨガの指導者で、三度にわたり乳がんを克服したのですが、手術後1週間はストレッチを控えることを勧めています。また、自らの経験から、控えめにヨガを楽しむことの重要性を述べています。」



この記述からは何ともいえませんが、おそらくこのスーダ・キャロリン・ランディーンは、ヨガの指導者として働きながら、乳がんが再発した経験を持っているのではないでしょうか。

だから、自分の経験から、ヨガは控えめにしなさいよ、とアドバイスしているのではないでしょうか。



メラノーマや内臓系のがんなど、ホルモンが関連しないがんも含めた「がんヨガ」ではなく、ホルモンの影響の大きい「乳がん」患者や経験者を対象とした「乳がんヨガ」。

大病院が率先して行うのも理解できます。何しろ抗がん剤やホルモン療法などとの併用必須ですからね。併用しなければ悪化します。間違いないです。



ちなみに、他にもいろんなヨガやってるらしいですが、「メディカルヨガ」の本に出てくる「うつ病」「不眠症」「糖尿病」「繊維筋痛症」などのクラスはないようですね。

「うつ対策ヨガ」なんて流行りそうですが…

何故やらないか?反西洋医学系の人ならピンとくるでしょう。



「向精神薬が売れなくなるから」



結局、こういうことです。あー疲れた。アイアンガーヨガの本に載ってたアサナでリラックスしよう。

機会があれば、「メディカルヨガ」と「アイアンガーヨガ」の違いも書くかも知れませんが、それは、問い合わせの返事が来てからですね。

2018年6月18日 (月)

食?運動?心?

こんな記事発見しました。

がん患者と共に断食合宿へ行った結果、2年後生還者はゼロだった衝撃の経験。その理由を、今からお話しします。

私もマクロビ嫌いではありませんし、このサイトの記事はよく読みます。FBで流れてくるので。

しかし、この記事には反論させていただきたい。

>食と体と心、この3つのバランスがしっかり取れないと本当の健康にたどり着きません。

それはわかります。

が、乳がん患者6名を連れての断食合宿を行ったとのことですが。

>この後2年の間に全員が亡くなりました。

は?

>「大変申し訳なかった、言ってなかったが、彼女たちが治らないのはわかっていたんだ!」
>「え、わかっていたってどういうことですか?」
>「彼女らは、自分で治そうとしていないんだ、私(医者)に治してもらおう、薬が、サプリメントが治してくれる、そう思ってる。」
>「まして、がんになった事自体、人のせいにしている、自分は悪くない、あの人が私をいじめるから、責めるから、いや遺伝だ、体質だ、だからしょうがないんだ、なんて思っている。」

ふーん。

っていうことは、がんになったことを「今までの食事のせい」にして食養生しても断食しても、「全く効果がない」ということですか。


違うでしょ?

指導が間違ってたんでしょ?

メンタルが原因なら、何故、徹底的にカウンセリングしないんですか?

合宿なんだから、「逃げ」られないはずでしょ?


結局、この医師は自分のミスを患者のせいにしたんです。

酷い話。


こういう医師がいるから、断食だとか酵素栄養学が「トンデモ」呼ばわりされるのではないですか?


「運動が大事」とか言って、乳がん患者に運動させて、ホルモン大量分泌させてかえって悪化させたとか、女性ホルモン作用のある漢方薬処方して悪化させたりとか、そういうこと隠してませんか?


最近、「乳がんヨガ」ってのも出来たようです。しかしサイトにも「アメリカのエビデンスの多くが症状の改善ではなく、QOLの向上に関連したものである」ってしっかり書いてあります。

乳がんの症状の改善ではありません。


遺伝的要素が強い乳がん患者は、無再発生存率が低いことは事実です。

これを、「心の問題」にすり替えて、QOL向上が第一!と断食合宿させたりヨガさせたり。


それで再発したら、あなたがたの責任にもなるんですよ。

でも、そんなこと関係ないんですよね。何故なら


「心の問題が一番大事なんだから!文句言ってる様じゃダメ!」


なんですから。

「心の問題」、便利な言葉ですよね。



6/19 追記

IN YOUさん、2018/6/17付でこんな記事出されてたようです。

乳がんを自力で治癒・克服した私が思う、癌の弱点と、乳癌の「対処治療と根本治療の違い」について。医師のいいなりで治療方法を決めない為にできること

はいこれ、医療広告ガイドライン規制違反の「体験談」ですね。

私、同様の事例(三大療法を断り自然療法など実践)で、お亡くなりになった方の話も聞いてます。

なので、体験談など全く意味ありません。

IN YOUのライターさん、カナダ在住の方だそうで、日本語も怪しいですね。IN YOUというのは、そのあたりのチェックをしないサイトのようです。

2018年5月24日 (木)

乳がんのガイドラインと手術とがんもどき

乳がんのガイドラインが改訂されたそうです。

しかしネットには載ってないんですね。

こちらで、書籍として販売してます。

金原出版
http://www.kanehara-shuppan.co.jp/books/detail.html?isbn=9784307203876

税込5,400円。

国内で乳がん治療を行う病院が全て購入するとしたら、すごい数でしょうね。出版不況もどこ吹く風、みたいな。

報道によると、乳がん患者はがんになっていない側の乳房も予防のために切除することを「強く推奨する」ことになったのだそうです。

>「予防」切除強く推奨 逆の乳房も発症リスク(毎日新聞2018年5月16日)

>日本乳癌(がん)学会は16日、3年ぶりに改定した診療ガイドラインを公表した。遺伝子変異が原因で乳がんを発症した患者について、がんになっていない側の乳房も再発予防を目的に切除することを「強く推奨する」との見解を示した。推奨の度合いをこれまでの「検討してもよい」から最も高い段階に引き上げた。ただ、予防切除は公的医療保険の対象外で、患者は全額負担が求められる。同学会は保険適用を国に働きかけていくという。

日本の医学界は、よっぽど手術が好きなんですね。

経皮的乳がんラジオ波焼灼療法なんかもあるにはありますけど。殆ど知られてませんね。

ちなみに以前は別の方法が先進医療として扱われていたんですが…ラジオ波ではなく、針を刺して焼く、というもの。消えちゃったのかな?海外では結構あるようなんですが。

悪性腫瘍の切除術は、傷の修復のために細胞分裂が盛んになるのでそれに必要なホルモンなどが分泌され、そのせいで切除しきれなかった悪性腫瘍が増加してしまう、という話をどこかで聞きました。

なので、予防のための手術、もしかしたらがんを誘発するのでは?と私は考えてます。

ちなみに。

手術しても再発しない予後が良好のがんは、IDLE(InDolent Lesions of Epithelial origin)かもしれません。

日本語に訳すと「上皮起源の無痛性病変」。わかりやすい表現では「がんもどき」あたりでしょうか。



追記

「経皮的乳がんラジオ波焼灼療法」とは別に「乳がん凍結療法」というものがあります。先進医療にはなっていませんが、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

2018年4月 6日 (金)

がんと運動 2

先日、FBのタイムラインにこんな記事が流れてきました。本文も引用します。


2018年2月16日より18日までアメリカ合衆国フロリダ州オーランドで開催されたThe Cancer Survivorship Symposiumのポスターセッションにて、術前化学療法中の乳がん、大腸がん患者に対する運動の疲労軽減、身体活動向上の効果を検証したPACT試験(Abstract 99)の結果がUniversity Medical Center Utrecht・Anne Maria May氏らにより公表された。
PACT試験とは、術後化学療法治療中のステージI-III乳がん患者(N=204人)、ステージI-III大腸がん患者(N=33人)に対して1週間に2回の頻度で理学療法士監視下にて60分間のサイクリング、ジョギングなどの有酸素運動、筋力トレーニングをし、1週間3回の頻度で自宅にて30分間の身体活動をする群(運動強化療法群)、または通常の身体活動をする群(通常ケア群)に無作為に振り分け、ベースライン時より4年後のMultidimensional Fatigue Inventory(MFI)に基づく疲労スコア、Short Questionnaire to Assess Health-enhancing Physical Activity(SQUASH)に基づく身体活動レベルを比較検証した多施設共同試験である。
なお、本試験に参加した患者204人の内4年後に生存していた患者は128人、その内訳は乳がん患者110人、大腸がん患者18人であり、運動強化療法群は70人、通常ケア群は58人である。
本試験の結果、ベースライン時より4年後の疲労スコアは通常ケア群に比べて運動強化療法群で-1.13(95%信頼区間:-2.45~0.20)減少を示したが、統計学的有意な差は確認されなかった。また、身体活動スコアも疲労スコア同様に通常ケア群に比べて運動強化療法群で高く、その値は141.77分/週(95%信頼区間:1.31~281.61)を示していた。
以上のPACT試験の結果よりAnne Maria May氏らは以下のように結論を述べている。”化学療法中の運動は、疲労、吐き気、痛みなどの治療関連有害事象(TRAE)を減少させる効果があることはよく知られています。しかし、4年間の長期に渡ってその効果があることを証明した試験はPACT試験が初めてです。”


こんな記事を目にして、

「やっぱりがん患者も運動した方がいいのか!ブログ書いてるアナタもフィットネスクラブに復帰しなさいよ!」

などとお考えのそこのアナタ。



よーく、読んでください。

「なお、本試験に参加した患者204人の内4年後に生存していた患者は128人、その内訳は乳がん患者110人、大腸がん患者18人であり、運動強化療法群は70人、通常ケア群は58人である。」



204人中128人生存?って、4年生存率63%?

しかも元の論文では「乳がん患者204人と大腸がん患者33人の237人、そのうち適した者は197人」になっている…?

そして4年後に応じたのが128人。

最初の237人のうち、他の109人が亡くなったのかどうか、abstractだけでは分かりませんでした。



「18週間の運動プログラム」を実施とのこと、約4ヶ月ですね。もしかしたら237人のうち適した197人を除く40人は、その間に亡くなってしまったのかも。



国立がん研究センターのがん情報サービスによりますと、日本では乳がんは5年生存率9割近いし大腸がんも7割程度です。

なのでもし「生存者128名」となると、4年でこの数値ですから

乳がん、大腸がん患者が運動すると生存率が落ちる

という結論が妥当なのでは…?

しかしこの論文はオランダで書かれたもの、オランダの5年生存率調べてみましたが分かりませんでした。


また、こんな記事もあります。

専門医に聞こう:乳癌に対する食事と運動の効果

生活習慣の要因、乳癌、うつについて
食事や栄養などの生活習慣のうち、不安やうつを和らげるのに効果的な要因はありますか。(乳癌と診断されるまでは、不安やうつの問題はなかったように思います)。
Ligibel医師:多くの試験によって、不安やうつには運動が効果的であることが明らかになっており、ほんの少し体を動かすだけでも、気分が改善されることが示唆されています。通常、少しずつ運動を始めることと、始める前に主治医に相談することを推奨していますが、データから、散歩などの適度な運動は、ほとんどの乳癌サバイバーが安全に実行でき、さまざまな点で健康によいことがわかっています。
癌サバイバーでの情報は限られていますが、体重を減らすことは、女性のうつに有効であるということも確認されています。



注目すべきはここ。

散歩などの適度な運動は、ほとんどの乳癌サバイバーが安全に実行でき、さまざまな点で健康によいことがわかっています。」

散歩程度なら、日常生活で出来ますよね。

徒歩や自転車での通勤・通学・買物等、自宅や職場内での階段の昇り降り、お子さんやお孫さんの送迎等、ペットの散歩、などなどを普通に出来る方は特に問題ない、ということではないでしょうか。

この記事はどちらかというと「寝たきりは危険ですよ」っていう話なのではないかと思います。

抗がん剤の副作用がきつくて寝てるだけの人、いますよね。私は大腿ヘルニア手術後の一時期がそうでした。

そうなると筋力落ちてサルコペニアにもなる危険性が出てきます。

そこだけは気をつけましょう、という話でしょう。
いや、でも、太ってるとがんリスク上がるし…という方。

もしかして、こんな記事を読んで、よし、運動して減量しよう!などとお考えですか?

閉経後の肥満、乳がんのリスクに 40~50代は要注意

乳がんの発生・増殖には、卵巣で作られる女性ホルモン(エストロゲン)が関係しており、特に排卵時期に分泌されるエストロゲンにさらされる時間が長いほど、発症リスクを高めるとされる。昭和大学医学部乳腺外科の中村清吾教授は「妊娠初期には、乳がんとの関係が深いエストラジオール(E2)というタイプのエストロゲンの分泌が低下するので、妊娠・出産回数が多いほど、乳がんの発症リスクは下がる」と話す。
また閉経後は、卵巣で作られるエストロゲンが大幅に減少し、その代わり、わずかではあるが体内の脂肪組織でエストロゲンが作られるようになる。そのため、BMI(肥満指数)が25を超える肥満の女性の場合、血液中の女性ホルモンが増加することで、乳がんの発症リスクが高まってしまう。閉経後は体脂肪のコントロールをすることが予防のカギだ。



はい、ここにも落とし穴があります。

「体内の脂肪組織でエストロゲンが作られる」

この表現。ネット上でよく見かけます。

しかし、脂肪細胞がそのまま女性ホルモンに変化するわけではありません。

エストロゲンは、「アンドロゲン」というホルモンから酵素アロマターゼを介して合成されます。

「アンドロゲン」は男性ホルモン、男性は精巣から、また男女ともに副腎からも分泌されます。テストステロン、ジヒドロテストステロンなど数種類が含まれます。



「テストステロン」。はい、フィットネスマニアなら聞いたことがあるはずですね。

そう、筋肉を増強してくれるホルモンです。
女性の場合、これが酵素アロマターゼを介してエストロゲンになるのです。



なので

運動する→テストステロン分泌→エストロゲン合成→乳がん進行

となるわけです。

なので、がん予防のために減量したいなら、一食抜いて代わりにお茶を飲む程度の、軽めのファスティングをお勧めします。



また、運動すると「成長ホルモン」も分泌されます。

この成長ホルモンも、がん細胞を成長させてしまうのです。

高身長の人ほど「大腸がん」になりやすい

性格とは無関係である一方で、がんが体形と関係することはわかっている。世界がん研究基金の報告書によると、「身長の高さ」によって、大腸がん、閉経後の乳がんはリスクが「確実」に高くなり、膵臓がん、閉経前の乳がん、卵巣がんはハイリスクの「可能性が高い」と分析されている。
高身長とがんの影響では、現在、成長ホルモンの働きに注目が集まっている。成長ホルモンには発達を促進するだけでなく、細胞の「アポトーシス」を阻害する働きもある。アポトーシスとは「細胞が自ら消滅する」ことを意味する言葉で、がん細胞の始まりとなる細胞の多くはアポトーシスされるので、人はがんにならない(それを逃れたら、がん細胞となっていく)。成長ホルモンが多く分泌される人は、アポトーシスが阻害されるため、がん細胞が増殖しやすい、と考えられている。



この他、成長ホルモンによって生成されるIGF-1(インスリン用成長因子1)が乳がん細胞の成長を刺激する、とも考えられています。これは「乳がんと牛乳」にも載ってました。



なので

乳がん患者は、せいぜい脚の筋肉を維持する程度の運動しか、出来ないのですよ。

アロマターゼ阻害剤飲んでれば大丈夫?

いや、耐性の問題があります。

おそらく、激しい運動続けてる方が耐性つきやすいでしょう。



それでも運動を勧める人は、エビデンス提示してくださいね。

特に、フィットネス関係者。

その中でも特に、メディカルヨガ関係者!

「ため息呼吸」についてもよろしくお願いしますw

2018年4月 4日 (水)

薬剤耐性

さて。

今は小康状態の私の乳がん、最近また少し悪化してきました。

まぁ、原因はほぼ確定してるのですが、ネットでいろいろと調べてみたら、面白いことがわかりました。


いわゆる「抗がん剤」というのは、遺伝子の複製を阻害するものです。

がん細胞だけでなく正常細胞の遺伝子複製も阻害するので、髪が抜けるなどの副作用が出ます。

Wikipediaには「抗がん剤の作用機序としては、DNA合成阻害、細胞分裂阻害、DNA損傷、代謝拮抗、栄養阻害などがある。腫瘍細胞はいくつかの種類のものが混在しており、更に耐性を得やすい。」とあります。


注目すべきはこの「耐性を得やすい」というところ。


遺伝子の合成阻害に関しては、がん細胞は遺伝子を変異させて阻害を逃れることが知られています。これらの変異遺伝子はAnti Drug Gene、略して「ADG」と呼ばれます。

論文では○○耐性、という形で良く出てくるんですが、ネット上には患者向けに分かりやすく解説したものは見当たりません。せいぜいこのくらい。

古いタイプの抗がん剤、「遺伝子合成阻害剤」などと呼ばれる薬にこういう耐性があるのは知られていました。

この方などは抗がん剤治療を続けていたら、がん細胞にどんどん耐性がついてしまい、国内では使える抗がん剤がなくなり、日本ではまだ認可されていない抗がん剤での治療を受けに海外にまで行っていたそうです。すでにお亡くなりになってますが。


…と、ここまでは、何年か前に調べました。


しかし。

去年の暮れから始めた「ホルモン治療」。

これに関してはどうなのか?

調べてみました。


乳がんの内分泌抵抗性獲得メカニズムの解明


へぇ、抗エストロゲン製剤も、アロマターゼ阻害剤も、長期投与で耐性を獲得しちゃうんですね。

すごいですね、がん細胞。


他はどうだろう?

広い意味での「抗がん剤」には、分子標的薬も含まれます。最近では免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ」が「夢の薬」などと呼ばれてもてはやされてますが。

検索したら、こんな記事が。

「一方で、薬が効かなくなった例も見つかった。九州大学病院で従来の抗がん剤など計7種類を投与した後、治療の選択肢がなくなった70歳代の女性にオプジーボを投与したところ、約1年で効果がなくなった。中西洋一・副病院長は「一定の割合で薬に耐性が生じる」と指摘する。」

高価な薬を頑張って使い続けても、効かなくなっちゃったりするんですね。

「夢の薬」の正体見たり。

新薬認可→治療→耐性獲得→また新薬認可→治療→耐性獲得→ ...(以下無限ループ)


耐性獲得を避けるため、短期間に腫瘍を縮小させようと大量処方したりすると副作用がひどくなりますし。

やっぱり、何とか免疫系を正常化して強化して、がんに対抗するしかなさそうですね。



2018年12月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

Sage's Link List

  • がん対策推進基本計画
    厚生労働省が平成24年に発表したもの。これによると、治療せずに様子を見る「経過観察」はしちゃダメ!なのかな?なんで?w
  • 国立がん研究センター
    食事療法については何も載っていません。アルコール摂取を控えましょう、肥満に注意しましょう、ぐらい。

Sage's Music List

  • サラ・ブライトマン: 神々のシンフォニー
    日本盤のみボーナストラック追加。
  • 3/8にリマスター発売。
    Pink Floyd: 狂気
    まさに「狂気の沙汰」ですね。
  • Walk This Way
    RUN D.M.C.:
    エアロスミスとのコラボ。
  • Somewhere I Belong
    LINKIN PARK: METEORA
    あるプログラムでの使用曲。
無料ブログはココログ